賃金のレギュレーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/03 15:25 UTC 版)
「モンドラゴン協同組合企業」の記事における「賃金のレギュレーション」の解説
モンドラゴンでは、労働経営者 (en:worker-owner) すなわち経営に携わる仕事をする組合員と、それ以外の職場・出先や工場で労働し最低賃金を得る組合員との間(訳注: 一般的な企業におけるいわゆる労使間)で、賃金比率への同意がある。これらの比率の範囲は、3:1 から 9:1 までであり、協同組合によって違う。平均は、5:1 である。すなわち、ひとりの平均的なモンドラゴン協同組合企業のジェネラル・マネージャーは、その組合で支払われる理論的な最低賃金の5倍を稼ぐ。この平均的な比率は、現実的にはより小さい。なぜなら、最低賃金を稼ぐモンドラゴンの労働経営者はほとんどおらず、彼らの仕事は、なんらかの専門的で高い賃金水準と分類されているところのものだからである。 各協同組合における比率は多様だが、その協同組合において、これらの比率がどうあるべきか民主的投票を通じて決定するのは、労働経営者である。それゆえ、もし協同組合のジェネラル・マネージャーが9:1の比率であるなら、その理由はその労働経営者が、管理するのにフェアな比率であると決定したことによる。 一般には、モンドラゴンでの賃金は、ローカルなインダストリーの同様な仕事と比較して、管理職層では30%以下、中間管理職や、技術職、専門職層で同一水準である。その結果、モンドラゴンの労働経営者は、比較的低い賃金水準においても、同様なビジネスでの労働者らより、平均で13%高い賃金を稼ぐ。付け加えると、この比率は、さらに縮減される。なぜならスペインは、累進課税による税率を導入しており、高賃金のものはより高い税額となるからである。
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