買収防衛策に関する指針
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 14:50 UTC 版)
2005年5月27日には経済産業省の主導による企業価値研究会が「企業価値報告書」を作成・公表し、これを踏まえ同日、経済産業省・法務省による指針が発表された。この指針には法的拘束力はないものの、経済産業省のみならず法務省によって行動規範として用いられることが期待されているなど一定の影響力を有するものとして捉えられている。 上記指針においては取締役が買収対抗策を導入することについて、「意思決定機関としての株主総会は機動的機関とは言い難いから、取締役会が株主共同の利益に資する買収防衛策を導入することを一律に否定することは妥当ではない」と指摘した上で買収対抗策の導入、行使、廃止に当たっては以下の原則を充足すべきものとした。 企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、または向上させる目的をもってなされること(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則) 事前に株主、投資家等に導入の目的、内容等を具体的に開示すること(事前開示の原則) 株主総会決議に基づき導入するか株主の相対的意思によって廃止できる手段を与えるなど株主の合理的な意思に依拠すること(株主意思の原則) 株主平等原則、財産権の保護、経営者の保身のための濫用防止などに配慮した必要かつ相当な方法によること(必要性・相当性確保の原則) さらに同研究会は2006年3月31日に、「企業価値報告書2006~企業社会における公正なルールの定着に向けて~」と題する報告書を公表し、買収防衛策の開示ルールや上場・買収ルールなどのあり方などに関しての取りまとめを行った。
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