貴族院における地位
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/22 22:50 UTC 版)
1999年まで世襲貴族で成人に達している者は原則として全員が貴族院議員であった(ただし女性世襲貴族は1963年まで貴族院議員になることはできなかった。1963年の貴族法で女性世襲貴族を男性世襲貴族と同等に扱うことが定められた。また1963年までスコットランド貴族とアイルランド貴族は貴族代表議員に選ばれた者以外議席を有さなかった。アイルランド貴族の貴族代表議員制度は1922年のアイルランド独立の際に終わり、スコットランド貴族は1963年貴族法によって全員が貴族院議員に列した)。 貴族院は長年にわたって世襲貴族を中心に構成されてきた(ただ登院者は少数だった)。しかし1958年に一代貴族法が制定され、以降貴族院の一代貴族の割合は漸次増加し、1998年2月の時点では世襲貴族は貴族院の59%(759名)まで減少した(対して一代貴族は当時484名)。そして1999年のトニー・ブレア政権の貴族院改革によって世襲貴族の貴族院議員枠は92議席に限定されたので現在は大多数の世襲貴族が貴族院に議席を有していない状況である。 貴族院での活動において爵位の等級に重要性はない。貴族院議員たる貴族は庶民院議員資格や庶民院議員選挙権を有さないが、貴族院議員ではない貴族は有する。 なお、院外においても爵位の等級の差を傘にきた振る舞いは好まれず、小説家オスカー・ワイルドも『紳士であることに違いはないのである。爵位の問題は紋章の問題である。それ以上でもそれ以下でもない。』と述べている。
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