議会の解散・停会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 01:51 UTC 版)
「国王大権 (イギリス)」の記事における「議会の解散・停会」の解説
議会を解散する国王大権は、2011年議会任期固定法によって一旦廃止された。その際においても、同法第6条第(1)項は、議会を停会する君主の権能は同法によって妨げられないことを特に言明していた。2022年3月には議会解散・召集法が成立することで、議会任期固定法は廃止され、解散に関わる国王大権は「議会任期固定法の制定がなかったように」復活し、議会解散に関係する手続きは従来通りとなった。 議会の解散は君主が歴史的に有する大権の1つであるが、これは「おそらく君主により属人的に行使される最も重要な残余大権であり、最大の論争の可能性をはらむものである。」と指摘されている。近年は、通常、議会及び首相の要請に応じて行使されていたが、これは首相の裁量による場合か、または不信任決議があった場合のいずれかであった。最後に君主が一方的に議会を解散したのは1835年であり、グレイ伯爵が首相を辞した際である。グレイ伯爵の内閣は完全に機能しており、彼なしでもなお存続可能であったが、ウィリアム4世は解散を強いることを選んだ。憲法学者の間では、これが近年においても可能であったかについて見解が分かれている。アイヴァー・ジェニングス(英語版)の著述によれば、解散は「大臣らの受諾」(the acquiescence of ministers)を伴うものであり、したがって、君主は大臣の承諾なくして議会を解散し得ない。「もし大臣らがかかる助言を行うことを拒めば、女王は彼らを解任する以上のことはできない。」しかしながら、A.V.ダイシーの考えによれば、ある極限的な状況においては、君主は独力で議会を解散し得る。その条件は、「当該議院の意見が選挙人の意見ではないと考える公正な理由がある事由が生じたこと」である。「立法府の望みが、国民の望みと異なるものであり、またはそのように公正に推定される場合であれば、解散は、許容され、または必要である。」
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