譜について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/11 01:02 UTC 版)
前述のように、本書に収められた『更級日記』の異文には、「ひかる源氏のものがたり五十四帖譜ぐして」と『源氏物語』を読むにあたって「譜」と呼ばれたものを手元に置いて読んだとされており、この「譜」とは『源氏物語』を読むに当たって役に立つ何らかの書き物であろうと考えられるが、本書の著者を含む当時の人々にとってもこの「譜」が「年来の不審であった」として了悟はこの「譜」が何であるのかについてさまざまな人物に問いかけており、その答えを本書に記している。 「うちふみ」(氏文=系図)であるとするもの 衣笠内府家良(衣笠家良)・宰相入道頼隆(藤原頼隆)・三位入道知家卿 「目六」(巻名目録・梗概書)であるとするもの 堀川相公雨林具氏(堀川具氏=源具氏) 「宮内少輔が釈」(藤原伊行の源氏釈)のようなもの、すなわち注釈書ではないかとするもの 真観西山殿 またさらにこの「譜」が何であるのかを当時の知識人に聞いて回る課程で衣笠内府(衣笠家良)から「『源氏物語』の写本には常に系図がついている」とする『源氏物語』古系図の普及状況についての貴重な証言を得ている。
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