誦経と聖歌の違い(誦経奉仕者と詠隊の違い)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/25 20:02 UTC 版)
「詠隊」の記事における「誦経と聖歌の違い(誦経奉仕者と詠隊の違い)」の解説
基本的には誦経(しょうけい)も聖歌も、正教会の祈祷は全て歌われる(旋律の変化があまり無い部分でも「詠む」)ものとして位置付けられる。 そのため、正教会において誦経と聖歌の違いは明確に線引き出来るものではなく、あくまで相対的なものである。このことから必然的に、誦経を担当する誦経奉仕者と聖歌を担当する詠隊との間の線引きも曖昧かつ相対的なものとなる。基本的には「誦経」と「聖歌」との区別は、その旋律の変化の度合いによって相対的になされるが、いずれかであるか判断しがたい部分も存在する。 ロシア正教会、ウクライナ正教会などのスラヴ系正教会では、誦経部分はオラトリオなどのレチタティーヴォに似た、旋律や抑揚を極力抑えて一定の音階を保って朗誦されるのが常であり、旋律を付けられて歌われる聖歌の部分とは一見区別が容易である。しかしながら祈祷書中のいずれを歌うか誦経するかの選択は奉神礼を執行している神品の判断に負うところが大きく、可変的な部分が大きい。また、ポロキメンや聖詠の詠み方・歌い方の指定にもみられるように、詠隊と誦経が区別しがたいほどに濃密な連携を保っている場面も少なくない。 従って小規模な教会では、誦経奉仕者と詠隊担当者、および誦経奉仕者・詠隊の立っている場所とが同一である場合も多い。 ギリシャ正教会をはじめとしたギリシャ系正教会では、誦経部分も歌われることが多い。この場合、上述のスラヴ系正教会よりも、誦経と聖歌、誦経奉仕者と詠隊の区別を行うことはより困難となる。 神品よりも奉神礼においては声を発する場面が圧倒的に多いのが誦経奉仕者と詠隊であり、多くの教会でこれらの役割は重要視され、日本正教会においてもその担当者の養成は極めて重要なものと看做されている。
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