誤釈の拡大
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/16 21:37 UTC 版)
文化庁が実施している国語に関する世論調査が、2004年の調査で「他山の石」の意味について尋ねたところ、回答者の26.8%は正答である「他人の間違った言行も自分の行いの参考となる」を選んだが、18.1%は誤答である「他人の良い言行は自分の行いの手本となる」を選び、その他では、やはり誤りである「両方の意味で使う」が 5.5%、「どちらの意味でも使わない」が 22.4%、そして「分からない」が 27.2%であった。50代以上では正答を選んだ者が最も多かったが、30代、40代で正答を選んだ者は誤答を選んだものより多かったものの「分からない」とした者より少なかった。10代(16歳から19歳)では誤答を選んだ者が最も多く、20代では正答・誤答が拮抗し、「分からない」が多かった。2013年の同調査でも、正答とされた「他人の誤った言行も自分の行いの参考となる」が 30.8%、誤答の「他人の良い言行は自分の行いの手本となる」が22.6%などと、同様の結果になった。 『広辞苑』第6版(2008年)は、説明の中でわざわざ「本来,目上の人の言行について、また、手本となる言行の意では使わない。」と記しており、「先生の生き方を他山の石として...」のような誤用が広がっていることを示唆している。 文化庁文化部国語課は、類似した意味の「人のふり見て我がふり直せ」が文字通りの意味で了解できるのに対し、「他山の石」は知識がないと意味が了解できないため、使われる機会が減っており、正しく理解する者が世代が下がるにつれ減っているのではないかと分析している。
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