角度と見かけ上の厚みの計算式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/01 06:17 UTC 版)
「避弾経始」の記事における「角度と見かけ上の厚みの計算式」の解説
T L = T N cos θ {\displaystyle T_{L}={\frac {T_{N}}{\cos \theta }}} TL:見かけ上の厚み TN:通常の厚み θ:装甲版の角度 傾斜が45度の場合は約23mmあれば見かけ上の厚み30mmになる、傾斜が60度の場合に見かけ上の厚み30mmを得るのに必要な厚みは半分の15mmでよいことになる。 たとえば、装甲が垂直な場合に高さ120cm、横幅100cmの場所に30mmの装甲防御力を持たせるには 3×120×100=36,000cm3の容積の装甲材が必要になる。装甲が45度に傾斜した場合は見かけ上30mmの装甲防御を持たせるのに 30 2 {\displaystyle {\tfrac {30}{\sqrt {2}}}} mmの厚みが必要だが、この場合には斜辺は 120 2 {\displaystyle 120{\sqrt {2}}} cmとなるので 3 2 × 120 2 × 100 = 36 , 000 {\displaystyle {\tfrac {3}{\sqrt {2}}}\times 120{\sqrt {2}}\times 100=36,000} cm3となり、垂直な場合と同じ重量となる。同様に60度に傾斜した場合も見かけ上30mmの装甲防御を持たせるのに15mmの厚みで済むが、斜辺は240cmとなるので 1.5×240×100=36,000cm3となり垂直な場合と同じ重量となる。このように避弾経始による軽量化の効果は意外に少ないうえに、垂直な装甲に比べて車内容積が減少し、車内での居住性や作業効率が悪化し、作戦行動に支障が出るデメリットが生じる。防御力の向上は斜面効果によって砲弾の運動エネルギーをそらす部分によるところが大きいため、斜面効果を期待できない攻撃法に対してはデメリットばかりが大きくなるため、現代の戦車では傾斜しない装甲が主流になっている。
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