覚性とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 覚性の意味・解説 

覚性入道親王

(覚性 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/08 13:44 UTC 版)

覚性入道親王
続柄 鳥羽天皇第五皇子

全名 本仁
称号 紫金台寺御室、泉殿御室
身位 親王
出生 大治4年閏7月20日1129年9月5日
死去 嘉応元年12月11日1169年12月30日)(享年41)
父親 鳥羽天皇
母親 中宮藤原璋子
役職 仁和寺第5世門跡
テンプレートを表示

覚性入道親王(かくしょうにゅうどうしんのう、大治4年閏7月20日1129年9月5日) - 嘉応元年12月11日1169年12月30日))は、平安時代後期の皇族歌人。俗名は本仁親王。父は鳥羽天皇。母は藤原公実の娘待賢門院藤原璋子真言宗仁和寺の第5世門跡。紫金台寺御室・泉殿御室とも称された。

略歴

誕生から3か月後の10月22日に親王宣下を受ける[1]。だが、母の待賢門院(藤原璋子)は仁和寺の第4世門跡覚法法親王との間で親王の入寺に関する相談を行っており[2]、長承4年3月27日(1135年5月11日)には鳥羽上皇・待賢門院が見守る中で仁和寺に入り[3]、覚法法親王のもとで出家灌頂を受けた。仁和寺の子院の中に待賢門院が白河法皇の追善と自身の将来のために建立した法金剛院があり、親王出家の背景には待賢門院の強い意向が働いていたと考えられている[4]

法名は初め信法と称し、のち覚性と改めた。仁和寺・法勝寺などの検校をつとめる。仁平元年(1151年)には、父の依頼を受けて甥にあたる守仁親王(後の二条天皇)を預かって修行させるが、4年後に急遽皇太子に迎えられて覚性の下を去っている。仁平3年(1153年)仁和寺法務に任じられ、その後尊勝寺四天王寺などの検校をつとめた。仁安2年(1167年)初めての総法務職に任じられて綱所を賜った。修法の聞こえが高く、詔勅を受けて孔雀経法や尊勝法、愛染王法等を24回修したという。

「紫金台寺御室」や「泉殿御室」と称されるのは仁和寺内にあったその居所に由来する。初めは泉殿と呼ばれていたらしいがいつからか紫金台寺と呼ばれるようになった。和歌にも造詣深く、没後近しい者により編纂されたと推測される家集『出観集[5]には多くの詠歌が残り、泉殿がその場としてあったことが知られる。『千載和歌集』以下の勅撰集に入集。

また『平家物語』等においては幼き日の平経正を鍾愛し琵琶の銘器を下賜した記事が見え、『古今著聞集』には千手・参川(三河)という二人の寵童との記事が収録されるなど、旺盛な一面も窺われる。

脚注

  1. ^ 『中右記』同日条
  2. ^ 『長秋記』長承3年12月6日条
  3. ^ 『長秋記』同日条
  4. ^ 佐伯智広「中世前期の王家と法親王」『立命館文学』624号(2012年)/所収:佐伯『中世前期の政治構造と王家』(東京大学出版会、2015年) ISBN 978-4-13-026238-5
  5. ^ 『新編国歌大観』、『私家集大成』、『群書類従』第十五輯に採録される。

参考文献

『国史大辞典』当該項(川崎庸之執筆)


「覚性」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「覚性」の関連用語

覚性のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



覚性のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの覚性入道親王 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS