視程の定義と観測
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/17 10:11 UTC 版)
視程の計測には、目視と機械計測の2種類がある。 目視の場合は、あらかじめわかりやすい目標物の観測地点からの距離を多数調べておき、それをもとに、どの目標物が見えるかで実際の観測を行う。目標物は、観測地点から100 m - 100 km程度のものを調べておく。目標物は、明るい視界の中でも判別できるよう、暗い色のものを採用することが多い。 機械計測の場合は、視程計を用いて、WMOが定義している気象光学距離(MOR)を計測する。気象光学距離の定義は以下のとおり。 2700Kの白熱灯の平行ビームが、大気や大気中の粒子によって散乱・吸収されて、照度がもとの値の5 %にまで減少する距離。 国際民間航空機関(ICAO)が定めた国際民間航空条約では附属書3の「気象(Meteorological Service for International Air Navigation)」の中で視程の定義を定めている。 a) 明るい背景の中で、観測に適した大きさの黒色の物体を見て、認識できる最大の距離。 b) 暗い背景の中で、1,000カンデラのライトを照らし、物体が識別できる最大の距離。 また同附属書では、滑走路視距離(RVR)の定義も定めている。こちらは滑走路視距離計(RVR)で観測する。航空においては、RVRの値が不明の場合は地上視程の観測値などをもとに算出される地上視程換算値(CMV)を用いる。滑走路視距離の定義は以下のとおり。 滑走路のセンターライン上にある飛行機のパイロットが、滑走路の表面にあるマーク、またはライトが照らした滑走路の形かセンターラインを識別できる距離。 国際式の気象通報では、観測値を00 - 99の100段階で表し(地上天気図#視程参照)、複数の気象通報式で使用されている。また日本では、これと別に10段階の視程階級表が定められており、こちらも用いられている。
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