西の魔物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/01 07:53 UTC 版)
カウゼル 西を統べていた魔物で、『西の黒蜘蛛』『黒皇』『黒區』などさまざまな異名があり、名前を呼ぶことすら恐れられている六本腕を持つ魔物。ネイは自分達普通の魔物とも異質なものだと受け取れる発言をしている。言葉や意志に毒があり、その存在自体が闇だと言われている。 ブラッドが生まれて最初に見たのがカウゼルの姿だった。ブラッドは西を離れる際、カウゼルの右腕を切り落としている。ブラッドは、カウゼルはその時死んだものと思っていたようだが、彼は魔物の本能だけで蘇り西の魔物の肉を食らいつくし、再生した。「闇の意志の集合体」とも称されている。いっそ純粋で無邪気なほどに、闇を望む。 腕を他人に仕込んで、操ることができる(ブラッドに右腕を切り落とされる以前にも同様の能力があったかは不明)六十年前の魔物狩りで南の洞窟に封印されたが、その当時既に彼の肉体はただの器(入れ物)にすぎず、精神体となり、寺院の大僧正であるエイギの体に潜んでいた。 願いを叶える『涙の宝石』の力を持つイシュカを狙う。そして、ネイに負けず劣らず自らが『返り血』と名付けたブラッドに執着している。 ぴーちゃん 川で溺れている所を、ブラッド達に助けられた幼い魔物。「ぴーちゃん」とは、イシュカが命名である。言葉は殆ど話せず「ぴー!」となく。 幼いながら手には水かきがあり、「シースさまどこ?」と喋ったことから、南の魔物かと思われていた。しかし、実際はカウゼルの腕から作られた魔物であり、抱き締められるなどして体に圧力がかかると破裂して死んでしまうように作られていた(これはブラッドの予想である。カウゼルは「その子は愛されると死んでしまう」と述べている。本当の所は不明)花街滞在時、イシュカの腕の中で死んでしまう。 当初は、「ブラッドとイシュカを南のシースの元へ連れて行く」ためだけに作られた魔物だったが、ブラッドやイシュカのおかげで心を持つようになる。死んでしまっても尚イシュカをしたい、寺院に囚われ絶望と憎しみに支配されたイシュカに力と希望を与え、消えてしまう。 リオ 寺院の孤児だったが、カウゼルに腕を入れられて以来、手足となって働く。 カウゼルを「おとうさん」と慕う。イシュカによって腕が抜かれた後もカウゼルを慕っており、その思いの純粋さゆえにカウゼルは彼を器にする事が出来なかった。 「氷の魔物の物語」は、ブラッドとイシュカの物語であり、カウゼルとリオの「これから」の物語であるともいえる
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