製作時期について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 04:52 UTC 版)
『荒野の決闘』はジョン・フォード監督の戦後第一作である。復員後一作目は『コレヒドール戦記』だが、これは戦時中に撮影まで行われており、公開前に終戦を迎えたものである。よって、太平洋戦争終結後に最初に企画された作品という意味では『荒野の決闘』がそれにあたる。 本作の公開時には、劇場にヘンリー・フォンダとビクター・マチュアの復員を迎える垂れ幕がかかった。製作開始時に、所謂「フォード一家」のエキストラたちに招集がかけられたが、その中に応じない者達が居てフォードの不興を買った。だが、実は彼らが戦死したり負傷して身動きできない者たちであることを知らされ、フォードはひどく落ち込んだ、というエピソードが残されている。 『荒野の決闘』では、作中で多くの登場人物が各々の大切な人を失っていく。弟を二人まで亡くすワイアット。愛人を救えず死なせてしまうドク。全ての息子を殺されるオールドマン・クラントン。やっと再会した婚約者を失うクレメンタイン。そういった遣り場のない喪失感を描く一方で、一見その対極に見える、治安を回復した保安官に対する住民たちの感謝や、教会建設のためのダンスパーティの歓喜に包まれた住民たちの描写など、明るくのどかでしみじみとした平和な情景も丹念に描かれる。この両者が一体となって生み出される詩情は、「多くの犠牲を払って得た平和」を示唆しており、「太平洋戦争終結直後」という製作時の時代背景が密接に反映していると思われる[要出典]。
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