装薬室
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/13 03:12 UTC 版)
装薬筒を組み立てる手順は以下の通りである。底部から上方へと作業が行われた。まず薄い錫製底板の底面に、ベルニーと呼ばれる油脂を厚く塗り、底螺の雷管室孔の底に貼った。底板が固着すると、さらに接触部分にベルニーを塗り込み、水分の侵入を防止した。次に雷管室側面にベルニーを厚く塗り込み、雷管室を底螺に押し込む。ベルニーがやや乾いたらさらに上からベルニーを塗り込み、接触部分の空隙を完全に密閉した。底螺と一体化した雷管室に、点火薬として小粒薬0.1gを入れる。塞紙にベルニーを塗って底螺上面に貼る。支板にもベルニーを塗った塞紙を貼る。ややベルニーが乾いたら塞紙同士にベルニーを塗って貼り合わせる。こうして支板と底螺を接合した。この作業では中心を合わせる必要があった。次に、底螺の底面にある撃針孔にベルニーを塗った。底螺の準備が終了したら、内筒外面に多量にベルニーを塗って装薬室に押し込む。内筒下面と装薬室の隙間にもベルニーを漏れなく塗り込んで入念に防湿した。こののち、内筒に装薬を1.1g入れる。底螺の上面に貼った支板が確実に固着するほどベルニーが乾いたら、底螺のネジ部分に黒ワニスを塗り込んで装薬室に結合する。結合後にも隙間に黒ワニスを塗り込んだ。
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