衝突可能性ゼロへ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/07/12 14:05 UTC 版)
「2011 AG5」の記事における「衝突可能性ゼロへ」の解説
2012年5月29日にNASAのゴダード宇宙飛行センターで行われたワークショップで、2011 AG5の2040年の衝突リスクは今後4年間の観測で1%以下になる可能性が高いことが分かった。2011 AG5の2032年2月3日の地球最接近時(推定距離182万km)に、幅365kmのある領域を通過すれば2040年に衝突する可能性が生じるが、その領域を通過する可能性は非常に低く、この領域を通過しなければ、衝突確率をゼロにする事が可能であることが分かった。 2012年10月に、ハワイ大学のチームによる2つの望遠鏡の追跡観測に基づいて軌道を再計算した結果、2011 AG5は誤差を考慮しても地球から約89万km以内に接近しないことが同年12月に明らかになった。これにより2011 AG5が2040年に地球に衝突する可能性は完全に消滅し、この時点でのトリノスケールが1以上の値を持つ天体は2007 VK184のみとなった。また、NASAはこれを受けて、2011 AG5の衝突リスクに関する項目および情報を削除した。この観測は、それまでの観測から不確実性を60分の1にまで低めることに成功した結果である。また、5月末の話し合いよりもかなり早い段階での議論の決着となった。ただしこれは、軌道要素が永久に変化しないことを前提としており、また不確実性が低い近未来での話であり、仮に軌道が変化したり、遠い将来には再び衝突のリスクが生ずる可能性が生じてくる。また、軌道要素と定義から、2011 AG5がPHAであることには変わりがない。トリノスケール1の天体は数日から数ヶ月で0に引き下げられる事が多いが、2011 AG5は評価から1年半以上かかる珍しい例となった。
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