蛇蜻蛉とは? わかりやすく解説

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へび‐とんぼ【蛇蜻蛉】

読み方:へびとんぼ

脈翅(みゃくし)目ヘビトンボ科の昆虫体長4センチくらいで暗黄色。頭は大きくて扁平大あご発達している。4の翅(はね)は幅広く透明で、黄色紋が散在し静止するときは背上で屋根形に畳む。幼虫は川の中にすみ、孫太郎虫よばれる

蛇蜻蛉の画像
撮影おくやまひさし

蛇蜻蛉

読み方:ヘビトンボ(hebitonbo)

ヘビトンボ科の昆虫

学名 Protohermes grandis


ヘビトンボ

(蛇蜻蛉 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/08 02:25 UTC 版)

ヘビトンボ
Protohermes grandis
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
上目 : アミメカゲロウ上目(脈翅上目) Neuropterida
: ヘビトンボ目(広翅目) Megaloptera
: ヘビトンボ科 Corydalidae
亜科 : ヘビトンボ亜科 Neurominae
: ヘビトンボ属 Protohermes
: ヘビトンボ P. grandis
学名
Protohermes grandis
Thunberg, 1781
和名
ヘビトンボ(蛇蜻蛉)
Corydalus cornutus

ヘビトンボ(蛇蜻蛉、Protohermes grandis)はヘビトンボ目(広翅目)ヘビトンボ科に分類される昆虫の一種。ヘビトンボ科の昆虫を総称してヘビトンボと言うこともあるが、その場合は「ヘビトンボ類」の意である。

分布

日本(北海道、本州、四国、九州--対馬・屋久島・種子島を含む)[1]、中国、韓国、台湾[2]、タイ。

特徴

成虫は体長40 mm、羽を広げた左右の長さ100 mmと、この類では大柄な昆虫である。ナラ類などの広葉樹樹液を主食とする。乳白色のを持つ。体に比べて大きな翅である点はカゲロウに似た昆虫で、大顎が大きく噛み付く力も強い。単眼の基部は黒い。蛇蜻蛉という和名の由来は、大顎で噛み付く習性を蛇になぞらえて付けたものである。

幼虫は渓流に棲む水生昆虫で、体は細長く、頭部は頑丈で顎が強く発達する。腹部には体節ごとに一対の鰓足が出る。

生活史

幼虫は一般に、清浄な河川の中流域より上流に生息することから、カワゲラ目トビケラ目等に属する多くの種と同様、清冽な水質の指標生物の一つである。

強い肉食性で、この幼虫が一匹いると周囲から他の水生昆虫がいなくなるともいわれ、その姿から川ムカデなどとも呼ばれる。噛み付かれると膨れ上がってしまうほどの威力があるが、ムカデのようなは持たない。

蛹化に際しては陸上に這い登り、岸部の石の下などに潜り込んでとなる。なお、蛹にも大顎が発達し、蛹をいくつか一緒にしておくと、仲間同士で噛み合って殺し合う習性があるといわれる。

成虫は灯火にもよく飛来する。

利用

幼虫は古くから孫太郎虫(まごたろうむし)などと呼ばれ、子供のに効く民間薬になる。かつては宮城県白石市の斎川の特産とされ、江戸時代に土地の人はこれを炙って酒肴にしたという[3]。1930年代までも「奥州斎川名産孫太郎」の触れ声で行商されていた[4]

また、長野県伊那市付近では、幼虫を珍味のざざむしの一種として食用とする。イワナヤマメの釣り餌として用いられることもある。

ギャラリー

日本のヘビトンボ科

タイリククロスジヘビトンボの幼虫

ヘビトンボ科の昆虫を総称して「ヘビトンボ」と言うこともある。日本に産するとされるヘビトンボ科は以下のとおり[5][1][6]

  • クロスジヘビトンボ亜科 Chauliodinae
    • モンヘビトンボ属 Neochauliodes van der Weele, 1909
      • アマミモンヘビトンボ Neochauliodes amamioshimanus Liu & Hayashi & Yang, 2007
        奄美大島
      • ヤエヤマヘビトンボ Neochauliodes azumai Asahina, 1988
        石垣島西表島の固有種
      • モンヘビトンボ Neochauliodes sinensis (Walker, 1853)
        対馬、石垣島、西表島、朝鮮半島[5]、台湾、中国、東南アジア 
    • クロスジヘビトンボ属 Parachauliodes van der Weele, 1909
      • タイリククロスジヘビトンボ Parachauliodes continentalis van der Weele,1909
        本州、四国、九州、対馬、韓国
      • ヤマトクロスジヘビトンボ Parachauliodes japonicus (MacLachlan, 1867)
        本州、四国、九州、奄美大島、徳之島、沖縄本島、石垣島、西表島、台湾
      • ヤンバルヘビトンボ Parachauliodes yanbaru Asahina, 1987
        沖縄本島北部の固有種
  • ヘビトンボ亜科 Corydalinae
    • ヘビトンボ属 Protohermes van der Weele, 1907
      • ヘビトンボ Protohermes grandis (Thunberg, 1781)
        日本(北海道、本州、四国、九州--対馬・屋久島・種子島を含む--)[1]、中国、韓国、台湾[2][7]
      • アマミヘビトンボ Protohermes immaculatus Kuwayama, 1964
        奄美大島、徳之島、久米島
      • ミナミヘビトンボ Protohermes sp.
        石垣島・西表島の固有種(石垣では産地は極限)。台湾 - 中国 - インド東北部に分布するヒメヘビトンボ Protohermes costalis (Walker, 1853)に近縁とされる未記載種。

脚注

  1. ^ a b c 林 2005.
  2. ^ a b 平嶋 & 森本 2008, p. 237.
  3. ^ 仙台叢書刊行会 (1923, pp. 438–439)は、大人でも食うべきではない、稀に食べて病む人がいる、毒があるのではないか、とけなしている。どこにでもいる虫だが他では食べないとのことである。
  4. ^ 山本 1931, p. 88.
  5. ^ a b 林 2003.
  6. ^ Liu, Xingyue, Hayashi, Fumio & Yang, Ding, 2007, Revision of the Neochauliodes sinensis species-group (Megaloptera: Corydalidae: Chauliodinae), Zootaxa 1511 (1), pp. 29-54
  7. ^ 九大[要文献特定詳細情報]

参考文献

  • 里見藤右衞門『封内土産考』1798年(寛文10年)頃。doi:10.20730/300069941。(所収:仙台叢書刊行会 編『仙台叢書』 第3巻、仙台叢書刊行会、1923年。NDLJP:970591/226 
  • 林文男「ヘビトンボ目(広翅目) Megaloptera」『琉球列島の陸水生物』東海大学出版会、2003年1月、366-368頁。ISBN 4-486-01599-1 
  • 林文男「ヘビトンボ目(広翅目) Megaloptera」『日本産水生昆虫 科・属・種への検索』東海大学出版会、2005年1月、379-386頁。 ISBN 4-486-01572-X 
  • 平嶋義宏、森本桂『原色昆虫大圖鑑』 第3巻、朝比奈正二郎、石原保、安松京三 旧版監修(新訂)、北隆館、2008年1月。 ISBN 978-4-8326-0827-6 
  • 山本金次郎 編『宮城県名勝地誌』宮城県教育会、1931年。全国書誌番号: 21006524 

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