藩への献上
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 19:59 UTC 版)
古川家の『御用綟子等につき事歴覚案』に「御献上、御肩衣・御蚊帳の儀は、天和二戌年、四代前四郎兵衛に始て仰せ付けらる」とある。4代とあることから、1代25年と計算しても、1580年ごろにはすでに生産が定着し、「もじや四郎兵衛」が存在していたことが伺われる。また、「御献上」とあるのは津藩から将軍家・大名家への献上と考えられ、すでに古くから藩に献上していたことが分かる。そしてこの年将軍家への最初の藩献上があったという記録が『宗国史』にある。 1685年(貞享2年)、同じ『事歴覚案』に「鶴姫様江先年御蚊帳被為進候染色萌黄ニ立浪之ちらし模様ニ被為仰付、三代前祖父四郎兵衛相勤首尾能差上申候処、(中略)夫より御綟子屋与唱来り申候」と、将軍家へも納入していた。各地大名からの注文に応じた記事もあり、このころから津綟子は全国へ普及していった。 1865年(慶応元年)の『綟職衰微につき年賦売下げ願』によると御用の量が半減し、1862年(文久2年)の『御用綟売買・織方につき願書写』には木綿の進出で生産に携わるものが減ってきたことが記されている。
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