藤原有年申文とは? わかりやすく解説

藤原有年申文

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 00:10 UTC 版)

藤原有年」の記事における「藤原有年申文」の解説

有年讃岐介在任中の貞観9年867年)に作成した申文である『讃岐国司解藤原有年申文』(さぬきのこくしのげ ふじわらのありとし もうしぶみ)は、現存する最古草書体仮名、かつ仮名使用した公文書である。東京国立博物館所蔵。 この申文は、「讃岐国戸籍帳」1巻見返し表紙裏)に有年記したものであり、「讃岐国司解」という解文前に添えられている。「讃岐国司解」とは、貞観9年867年2月16日那珂郡多度郡に住む因支首(いなぎのおびと)一族から出され和気公(わけのきみ)への改姓願いであり、讃岐国司が太政官提出した。この時、有年讃岐介を務めており、その『有年申文』の全文は、 改姓夾名勘録進上 許礼波奈世无尓加 官尓末之多末波无 見太末波可利止奈毛お毛ふ 抑刑大史乃多末比天 定以出賜 いとよ可良無 有年申 と記されている。以下は中古日本語一部訓読である。 (改姓夾名勘録進上) これは何(な)為(せ)むにか 官(つかさ)に申(ま)し賜(たま)はむ 見(み)賜(たま)ふばかりとなも思(おも)ふ 抑(そもそも)刑(ぎや)大(たい)史(し)宣(のたま)ひて (定以出賜) いと良(よ)からむ (有年申) なお、貞観9年867年2月16日時点での讃岐国司の陣容以下の通り。 (守) 藤原良縄 正四位下 参議右衛門督権守藤原良世 従四位上 蔵人頭皇太后宮大夫権介当麻鴨継 正五位下 主殿頭 (介) 藤原有年 従五位下権掾藤原(房雄か) 従五位下 左近衛将監権掾藤原有実 六位蔵人左近衛将監 (掾) 高階(全秀か) 従六位上大目秦安正六位上大目土師(欠名) 正六位上少目) 阿岐奈(安継か) 正六位下 このうち、守・権守権介任官者は、何れも京官本職としていることから、遙任として讃岐国には赴任しておらず、讃岐国現地では、介たる有年讃岐国司の筆頭として本文書の差出人となった考えられている。

※この「藤原有年申文」の解説は、「藤原有年」の解説の一部です。
「藤原有年申文」を含む「藤原有年」の記事については、「藤原有年」の概要を参照ください。

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