薬物と致死性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 23:10 UTC 版)
ヘロインや、モルヒネのようなオピオイド系麻酔薬が呼吸中枢を抑制する危険性が最も高い。アルコールはそれらに匹敵するほど高く、バルビツール酸系睡眠薬や、ベゲタミン(クロルプロマジン・プロメタジン・フェノバルビタールの合剤)や、ペントバルビタール(催眠・鎮静剤のラボナ)も作用量と致死量が近い。また、アルコールのような薬物は他の薬物の作用を高め、深刻な事象に至る場合がある。例えば、アルコールとコカインとの併用で、心臓に有害なコカエチレンへと代謝されるというような場合もある。 「治療指数(安全係数)」および「薬物相互作用」も参照 薬の種類としては、バルビツール酸系に代わり、ベンゾジアゼピン類が用いられることも多いが、フルニトラゼパム(商標名ロヒプノール、サイレース)のような強力なベンゾジアゼピン類も致死性が近いことには変わりがない。問題になっている多剤大量処方により、意図的に過量服薬しなくても深刻な作用になっている場合がある。 たとえばカフェインでは、作用量と致死量との差が約100倍あり、こうした薬物の場合は過剰摂取による死は起こりがたい。しかし、エナジードリンクや、カフェイン錠剤の過剰摂取による死亡がたまに報道されている。 大麻やLSDやシロシビンは図のように安全係数が高く、重症例、死亡報告はほとんどない。他の規制された薬物に似た合法とされる薬物では、大麻や既存の幻覚剤よりも過剰摂取しやすい可能性がある。 麻酔薬のプロポフォールは、治療指数(LD50/ED50)が4.5であり、その逆数(ED50/LD50)は0.22となり、ヘロインよりも作用量と致死量が近い。
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