莢膜の抗原性とは? わかりやすく解説

莢膜の抗原性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/15 00:41 UTC 版)

莢膜」の記事における「莢膜の抗原性」の解説

多糖類は、タンパク質比べると劣るものの、抗原として認識されて、特異的な抗体産生誘導しうる性質抗原性)を持つ。このため莢膜には、それを構成する多糖類由来して菌体そのもの表面とは異な抗原性存在する細菌表面抗原分子外膜抗原鞭毛抗原など)と同様、莢膜抗原抗原性もまた菌株によって違いがあるため、この違い利用して同一の種に属す細菌をさらに細かく分類することが可能である。これらの抗原性の違い利用した分類血清型 (serotype) と呼ばれる莢膜抗原による血清型分類は、腸内細菌科ビブリオ属などのグラム陰性桿菌頻用されており、一般にK抗原莢膜意味するドイツ語 Kapsel頭文字から)と呼ばれる例え2006年現在大腸菌では約100種類クレブシエラでは86種類腸炎ビブリオでは75種類K抗原が見つかっており、それぞれの菌種ごとにK1, K2, K3...というかたちでナンバリングして分類されている。血清型による分類では、これに他の抗原分子による分類組み合わせて、「大腸菌 O4:K12:H5のような形で表記されるK抗原持たない(=莢膜持たない菌株については「大腸菌 O157:H7」のように、K抗原表記されない。K抗原以外にも、強毒性チフス菌サルモネラ)に見られるVi抗原Vi抗原有無判定される)など、莢膜由来する抗原分子がある。 K抗原Vi抗原などを持つ、莢膜有する菌株では、しばしば外膜抗原であるO抗原対す抗血清との反応性失われる莢膜細胞の最も外側位置する構造体であるため、これによって菌体表面O抗原覆われてしまうからである。菌体を熱や固定剤処理して莢膜破壊すると、O抗原露出して、その抗原性調べることが可能となる。

※この「莢膜の抗原性」の解説は、「莢膜」の解説の一部です。
「莢膜の抗原性」を含む「莢膜」の記事については、「莢膜」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「莢膜の抗原性」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「莢膜の抗原性」の関連用語

1
12% |||||

莢膜の抗原性のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



莢膜の抗原性のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの莢膜 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS