若林ひとみ
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若林ひとみ(わかばやし ひとみ、1953年〈昭和28年〉9月5日[1][2] - 2005年〈平成17年〉11月25日[1])は、日本のドイツ語翻訳家、ドイツ文化研究家。
人物・来歴
宮城県出身[3](北海道札幌市生まれ[4])。宮城県第一女子高等学校卒業、1977年東京外国語大学ドイツ語科卒業。1974年から1975年、1980年から1981年ドイツ留学、ビーレフェルト大学・ミュンヘン大学で学ぶ。外資系銀行、出版社勤務の後、フリーランスで通訳、翻訳、ライター等の仕事に従事。また、来日したドイツ人ジャーナリストの取材コーディネーターも務めていた[3]。
児童文学を中心に、数多くのドイツ文学を翻訳・紹介。また、第二次世界大戦中の反ナチス運動「白いバラ」の中心メンバーであったゾフィー・ショルの伝記(ヘルマン・フィンケ著)の翻訳も行った。
ドイツ留学中の1974年、本場ドイツのクリスマスを初めて体験。1985年からはほぼ毎年ヨーロッパに出かけ、各国のクリスマスゆかりの地を取材、アンティークのクリスマスグッズの収集も行う[5]。
元文京区議会議員(1995年5月1日から2期8年)[3][6]。全国の地方議員による組織「開かれた議会をめざす会」の発起人で、代表・事務局長を務めていた[3]。
ガンのため52歳で死去[1]。
著書
翻訳
- 『ゾフィー21歳 ヒトラーに抗した白いバラ』(ヘルマン・フィンケ編著、草風館) 1982.10/新版 2006.2 ※草風館刊はいずれも出版社との話し合いにより絶版[7][8]
- 『白バラが紅く散るとき――ヒトラーに抗したゾフィー21歳』(講談社文庫) 1986.8 ※草風館1982年刊の改題改訂
- 『ちいさなみどりのきょうりゅうくん』(ウルズラ・フックス著、アイガ・ラッシュ画、さ・え・ら書房) 1983.3
- 『マクシィぼうやのいえで』(イリーナ・コルシュノウ、倉橋達治絵、金の星社) 1984.10
- 『どろぼうダダダ』(ウルズラ・レーマンーグゴルツ、ケティ・ベントーツァウク絵、さ・え・ら書房) 1984.10
- 『おじいちゃんだいすき』(W・ハラント作、C・O・ディモウ絵、あかね書房) 1984.12
- 『みどりの森はだれのもの』(マリー・マルクス絵と文、さ・え・ら書房) 1986.4
- 『あめの日のおさんぽ』(U・シェフラー文、U・ヴェンセル絵、文化出版局) 1986.6
- 『サンタクロースがすねちゃった』(アヒム・ブレーガー文、ウテ・クラウゼ作・絵、佑学社) 1986.11
- 『フィッツェブッツェ』(パウラ&リヒャルト・デーメル文、エルンスト・クライドルフ絵、ほるぷ出版) 1986.12
- 『おおかみと七ひきの子やぎ 完訳グリムどうわ』(アン・ロンビー絵、偕成社、世界のどうわ) 1987.1
- 『ブレーメンのおんがくたい 完訳グリムどうわ』(F・ローソン(Françoise Lorson)絵、偕成社、世界のどうわ) 1987.1
- 『みんなの幽霊ローザ』(クリスティーネ・ネストリンガー、岩波書店) 1987.6
- 『きゅうりの王さまやっつけろ』(ネストリンガー、岩波少年文庫) 1987.7
- 『アルプスの少女ハイジ』(ヨハンナ・シュピーリ、田村セツコ絵、ポプラ社) 1987.12
- 『灰色やしきのネズミたち』(ヴィリー・フェアマン、山内ふじ江絵、国土社) 1988.2
- 『片手いっぱいの星』(ラフィク・シャミ、岩波書店) 1988.7
- 『屋根の上の海賊』(ヨー・ペスツム、ながしまよういち画、あかね書房) 1988.12
- 『おかあさんへ 母の日おめでとう』(アヒム=ブレーガー、浜田桂子絵、講談社) 1989.4
- 『チョコレートとバナナの国で』(カーリン・ギュンディッシュ、中村悦子絵、さ・え・ら書房) 1990.4
- 『じめんのしたのなかまたち』(エベリン・ハスラー文、ケティ・ベント絵、富山房) 1990.10
- 『ぼうしネコとゆかいな仲間』(ジーモン&デージ・ルーゲ、岩波書店) 1991.4/岩波少年文庫 1997.11
- 『ぼうしネコのたのしい家』(ジーモン&デージ・ルーゲ、岩波書店) 1991.6/岩波少年文庫 1997.11
- 『よるの森のひみつ スイス南部の昔話より』(エベリーン・ハスラー文、ケティ・ベント絵、富山房) 1993.11
- 『海賊の心臓』(ベノ・プルードラ、ユダ・バウアー画、大日本図書) 1995.1
- 『ナオミの秘密』(マイロン・リーボイ、岩波少年文庫) 1995.6
- 『ほしのこのひみつ』(アルカディオ・ロバト、フレーベル館) 1998.5
- 『しろくまオント サンタクロースにあいにいく』(アルカディオ・ロバト、フレーベル館) 1998.10
- 『チンパンジーとさかなどろぼう タンザニアのおはなし』(ジョン・キラカ、岩波書店) 2004.6 - 大型絵本
エルビン・モーザー
- 『ちびぞうビンチッヒ』(エルビン・モーザー、ほるぷ出版、ちびぞうビンチッヒ) 1987.11
- 『ビンチッヒとおともだち』(エルビン・モーザー、ほるぷ出版、ちびぞうビンチッヒ) 1988.6
- 『マヌエルとディディのおはなし 冬』(エルビン・モーザー、大日本絵画、かいがのえほん) 1988.11
- 『マヌエルとディディのおはなし 夏』(エルビン・モーザー、大日本絵画、かいがのえほん) 1988.11
- 『マヌエルとディディのおはなし 春』(エルビン・モーザー、大日本絵画、かいがのえほん) 1988.11
- 『マヌエルとディディのおはなし 秋』(エルビン・モーザー、大日本絵画、かいがのえほん) 1988.11
- 『ビンチッヒたびにでる』(エルビン・モーザー、ほるぷ出版、ちびぞうビンチッヒ) 1988.12
- 『ビンチッヒのあたらしいたび』(エルビン・モーザー、ほるぷ出版、ちびぞうビンチッヒ) 1989.11
「こちらB組探偵団」
- 『名画を追え』(ステファン=ボルフ、偕成社、Kノベルス、こちらB組探偵団) 1988.12
- 『クラスメート誘拐』(ステファン=ボルフ、偕成社、Kノベルス、こちらB組探偵団 3) 1989.2
- 『放火魔のくる夜』(ステファン=ボルフ、偕成社、Kノベルス、こちらB組探偵団 10) 1990.12
脚注
- ^ a b c -白バラが紅く散るとき- 若林ひとみ
- ^ 今江祥智ほか 編『児童文学アニュアル 1983』偕成社、1983年6月、資料篇54頁。NDLJP:12444111/159。
- ^ a b c d 「地方行革はまず議会から / 若林ひとみ」『地方自治職員研修』1998年7月号、34-35頁
- ^ “紅く散った白バラの心”. 若林ひとみ――白バラが紅く散るとき. 若林ひとみの妹. 2023年3月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月2日閲覧。 “最初の赴任地の札幌で姉が生まれ”
- ^ 『クリスマスの文化史』
- ^ 文京区議会議員名簿 - ウェイバックマシン(2003年4月4日アーカイブ分) ※2003年4月30日任期満了前
- ^ “若林ひとみ――白バラが紅く散るとき”. 若林ひとみの妹. 2025年2月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月2日閲覧。
- ^ “紅く散った白バラの心”. 若林ひとみ――白バラが紅く散るとき. 若林ひとみの妹. 2023年3月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月2日閲覧。 “再びこの出版社からの本を絶版にすることにいたしました”
外部リンク
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