船橋市西図書館蔵書破棄事件
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船橋市西図書館蔵書破棄事件(ふなばししにしとしょかんぞうしょはきじけん)は、船橋市西図書館の女性司書だったA(実名非公開)が、西部邁や新しい歴史教科書をつくる会会員らの著書計107冊を、自らの政治思想によって独断で除籍・廃棄した事件[1]。現代における「焚書坑儒」であるとされ[2]、船橋焚書事件とも呼ばれる[3][4]。この事件に伴う裁判によって本の筆者に対しては、著作権以外にも守られるべきものが存在することが示された[3]。また図書館に対しては利用者へのサービスのみならず、筆者の利益保護についても配慮されるべきものがあると警鐘を鳴らすことになった[3]。
注釈
- ^ 廃棄された本のリストは、「正論」の平成14年6月号に掲載されている。なお、この「正論」の紙面を元に再構成した資料が、「ず・ぼん」2005年(平成17年)11月号に掲載され、こちらで公開されている。
- ^ 2018年(平成30年)現在でもこのAの本は、船橋市図書館全体で19冊蔵書されているが、問題が起きた船橋市西図書館では1冊のみが残されている。2018年(平成30年)2月1日蔵書確認
- ^ 2018年現在でもこのAの翻訳本は、船橋市図書館全体で29冊も蔵書されている。2018年2月1日蔵書確認
- ^ 一方でAが図書館を離れた後の著書については1冊も収蔵されていない 2018年2月1日蔵書確認
- ^ 服部公一 「作曲入門」 私の創作現場から 講談社 現代新書 ISBN 978-4061456822 問題を指摘された報道ののちに再購入されている。2018年2月1日蔵書確認
- ^ この担当者がAであるかどうかは出典では明示されていない
- ^ 6か月にわたり給与の10%をカットするという意味
- ^ 坂本多加雄は一連の裁判の途中で故人となったために原告を8人ではなく7人とする出典もある
- ^ 東京地方裁判所は、Aが公衆の面前で原告らの本を積み上げて火を放つなどの方法で著書を処分していれば、公然性の高い行為なので原告らとAの関係においても違法性を問うことが出来るとも説明している
- ^ 適切な公費出費であったかというのは別の問題であるとしている
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 平成14年第2回船橋市議会定例会会議録(第4号・3)
- ^ a b 産経新聞(千葉版)2012年(平成14年)4月21日 船橋市西図書館大量廃棄 全容解明どこまで
- ^ a b c d e 【視点】船橋焚書事件 最高裁が初判断 図書館の公共性強調 産経新聞 2005年(平成17年)7月14日 大阪夕刊 14頁 第2社会 (全533字)
- ^ a b c d e f g h i j k 船橋焚書事件 「つくる会」逆転勝訴 最高裁差し戻し 独断廃棄は利益侵害 産経新聞 2005年7年14日 大阪夕刊 1頁 総合1面 (全1,124字)
- ^ a b c d e f g h i j k l m 損害賠償請求事件 最高裁判所第一小法廷平成16年(受)第930号 平成17年7月14日判決 判決文
- ^ a b c d e f g h i 図書館問題研究会常任委員会 「船橋市西図書館の蔵書廃棄問題について(見解)」2002年5月28日 2018年1月30日閲覧
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 「船橋西図書館の蔵書廃棄事件を考える」『ず・ぼん』2005年11月号、ポット出版。
- ^ 国立図書館著者情報および著書での本人紹介文より
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag 平成15年9月9日判決言渡 平成14年(ワ)第17648号 損害賠償請求事件 東京地方裁判所 判決文
- ^ 読書/“小さな生命”たちの瞳輝く21世紀へ/「子ども読書セミナー」開催/浜四津代行、講師の土橋さんら/読み聞かせの大切さ訴え/党プロジェクトチーム 2000年(平成12年)4月25日 公明新聞 2頁 (全885字)
- ^ a b 著書の筆者紹介文の内容より
- ^ 国立国会図書館サーチ参照(URLは敢えて示さない)
- ^ 読んで聞かせ、心の会話を A・図書館司書 朝日新聞 1989.06.28 東京朝刊 19頁 1家庭
- ^ 子どもに読書の楽しさ伝えよう/党子ども読書運動プロジェクトチーム この1年の取り組みから/多彩な活動に広がる共感の輪 2001.03.09 公明新聞 3頁 (全2,641字)
- ^ ウイメンズナウ/“女性の時代”へ大きく前進/頑張りましたこの一年 活動ピックアップ 2000.12.28 公明新聞 6頁 (全2,046字)
- ^ 図書館司書/Aさんの講演から/子どもに読書の楽しさを/本は成長の糧に、読み聞かせで出会いつくって 2000.05.02 公明新聞 4頁 (全2,154字)
- ^ a b (声)図書館の本を廃棄した心は 朝日新聞 2005.07.18 東京朝刊 6頁 オピニオン2 (全473字)
- ^ 『草原に雨は降る』(子どもの本だな) 1989.04.25 朝日新聞 東京朝刊 17頁 1家 写図有 (全1,575字)から 「出合い狭める対象年齢の表記」(子どもの本だな) 1991.04.03 朝日新聞 東京朝刊 19頁 1家 写図有 (全2,906字)まで
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab 山家篤夫「船橋市西図書館の蔵書廃棄事件について(対応報告)」社団法人日本図書館協会図書館の自由委員会委員長 2007年5月20日 2018年1月30日閲覧
- ^ 西部、渡部両氏の著書68冊 市立図書館が廃棄 産経新聞 2002年4月12日
- ^ 2002年(平成14年)4月同図書館検索サービスで蔵書確認
- ^ a b 船橋市西図書館 実用書7日で除籍 産経新聞(千葉版)2002年(平成14年)5月6日
- ^ 産経新聞 2012年5月11日 船橋市西図書館大量廃棄 「女性司書の独断」 船橋市西図書館大量廃棄 「女性司書の独断」市が調査報告 明確な理由はなし
- ^ 船橋市西図書館著書廃棄 刑事告発を市長に要請 産経新聞(千葉版) 平成14年6月4日
- ^ 『焚書坑儒のすすめ エコノミストの恣意を思惟して』ミネルヴァ書房、2009年11月。ISBN 978-4-623-05621-7。
- ^ SAPIO 2002年(平成14年)5月22日号
- ^ ず・ぼん11 タイトル一覧
- ^ 小泉内閣メールマガジン 第46号(2002年5月16日付)編集後記
- ^ 船橋市西図書館の大量廃棄 抗議集会に市民80人 産経新聞(千葉版) 2002年4月21日
- ^ 国会図書館サーチ @韓国・朝鮮語の本−2437 2018年1月31日閲覧
- ^ 国会図書館サーチ おおきなポケット 2004年5月号 2018年(平成30年)1月31日閲覧
- ^ a b ててちゃん―おやこで あそぼう わらべうた (幼児絵本シリーズ) 福音館書店 ISBN 978-4834023374
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 丹治則男『ジャーナリズムの課題』DTP出版 2007年 ISBN 978-4862110459
- ^ (社説)蔵書廃棄 自由の番人でいる重さ 朝日新聞 2005年(平成14年)7月15日 東京朝刊 3頁 3総合 (全1,086字)
- 1 船橋市西図書館蔵書破棄事件とは
- 2 船橋市西図書館蔵書破棄事件の概要
- 3 廃棄の露見と市の調査
- 4 市の処罰と弁済
- 5 その後の出来事
- 6 消極的だった新聞報道
- 7 脚注
固有名詞の分類
平成時代の事件 | 光進事件 和D-53号事件 船橋市西図書館蔵書破棄事件 目黒公証人役場事務長拉致監禁致死事件 第22次西成暴動 |
日本の判例 | 薬害エイズ事件 埼玉県加須市長選挙無効事件 船橋市西図書館蔵書破棄事件 博多駅テレビフィルム提出命令事件 法廷メモ訴訟 |
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