和D-53号事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/20 04:38 UTC 版)
和D-53号事件(わD-53ごうじけん)とは、1993年(平成5年)4月に発生した偽札事件[1][2]。犯人の特定・逮捕に至らないまま未解決事件となっている[3]。
概要
1993年4月11日に、京都府京都市下京区のJR京都駅の自動券売機で、2枚の偽一万円紙幣が発見された[4]。これを契機に、同月25日までに大阪府、滋賀県、京都府、奈良県の4府県で、駅の自動券売機や銀行の両替機など23カ所で、506枚の偽札が発見された[1][5][6][7][4]。
この偽札は、紙幣大の白い紙にクリーム色のインクがベタ塗りされていたが、見た目の精巧さで人間を騙す従来の偽札とは異なり、磁気インクを使って紙幣識別機を欺くタイプの偽札で[1][2][4]、この手の偽札は日本では初めてだった[1]。また、偽一万円紙幣の主な記番号は「MR853225Y」「KJ729759L」で、同じ番号が2枚あったものも散見された[1]。
警視庁及び大阪府警察捜査二課、京都府警察は、同一犯による犯行と断定した上で通貨偽造・同行使、窃盗容疑で捜査を開始した[1][3]。大阪府警察は銀行の監視カメラに写った偽札使用者のポスターを公開し、不審者情報や偽札に使用されたインク、紙などの物証をもとに捜査を行ったが、犯人探しは難航した[8][6][3][4]。
2003年(平成15年)4月11日、公訴時効が成立し、犯人が逮捕されない未解決事件となった[3][4]。
脚注
出典
- ^ a b c d e f 『読売新聞』1993年4月13日 全国版 東京朝刊 一面1頁「ニセ1万円札を大量発見 大阪など3府県 280枚が銀行や駅に」(読売新聞東京本社)
- ^ a b 『読売新聞』1993年4月15日 全国版 東京朝刊 社会31頁「ニセ1万円札 すべてオフセット印刷 「和D-53号」事件に指定/警視庁」(読売新聞東京本社)
- ^ a b c d 『読売新聞』2003年4月12日 全国版 大阪朝刊 社会35頁「「和D-53号」偽札事件 時効成立」(読売新聞大阪本社)
- ^ a b c d e “偽札和D-53号事件が時効 磁気インク使った先駆け”. 共同通信社. 47NEWS. (2003年4月10日). オリジナルの2015年7月13日時点におけるアーカイブ。 2014年11月10日閲覧。
- ^ 『読売新聞』1993年4月21日 全国版 東京朝刊 社会27頁「奈良でも偽1万円札 計505枚に」(読売新聞東京本社)
- ^ a b 『読売新聞』1993年4月24日 全国版 東京夕刊 夕社会11頁「「ニセ1万円札」4つのナゾ 2週間・・・絞れぬ犯人グループ」(読売新聞東京本社)
- ^ 『読売新聞』1993年4月26日 全国版 東京朝刊 社会27頁「関西のニセ一万円札 滋賀で1枚見つかり506枚に」(読売新聞東京本社)
- ^ 『読売新聞』1993年4月16日 全国版 東京朝刊 社会31頁「ニセ一万円札「和D-53号」事件 不審者の写真新たに公開/大阪府警」(読売新聞東京本社)
関連項目
固有名詞の分類
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