臨時革命政府についての決議(ボリシェヴィキ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/02 15:30 UTC 版)
「民主主義革命における社会民主党の二つの戦術」の記事における「臨時革命政府についての決議(ボリシェヴィキ)」の解説
(一)プロレタリアートの直接の利益も、社会主義の終局目標めざすプロレタリアートの闘争の利益も、できるだけ完全な政治的自由を要求しており、したがって、専制的統治形態を民主的共和制にかえることを要求している。 (二)ロシアにおける民主的共和制の実現は、勝利した人民蜂起の結果としてのみ可能である。この人民蜂起の機関が臨時革命政府であり、これのみが選挙前煽動の完全な自由を保障することができ、また秘密投票による普通・平等・直接の選挙権にもとづいて、人民の意志を真に表明する憲法制定議会を召集することができる。 (三)ロシアにおけるこの民主主義的変革は、ロシアの現在の社会経済制度のもとでは、ブルジョアジーの支配をよわめずに、これをつよめるであろうし、ブルジョアジーは、ある瞬間には、なにものにも躊躇することなく、ロシアのプロレタリアートから革命期の獲得物のできるだけ多くの部分をうばいとろうと、かならず試みるであろう。 以上の点を考慮して、ロシア社会民主労働党第三回大会は、つぎのように決定する。 (イ)革命のもっとも予想される経過についての、また、革命のある瞬間に臨時革命政府が必然的に出現し、プロレタリアートはこの政府にたいしてわれわれの綱領(最小限綱領)の当面の政治的および経済的諸要求のすべてを実現するように要求するであろうことについての、具体的な観念を、労働者階級のあいだにひろめることが必要である。 (ロ)力関係、その他あらかじめ正確に規定できない要因のいかんによっては、すべての反革命的企図と容赦なく闘争し、労働者階級の独自の利益をまもるために、わが党の全権代表が臨時革命政府に参加することは、ゆるされる。 (ハ)このような参加の必要条件としては、党がその全権代表を厳重に統制すること、完全な社会主義的変革をめざし、そのかぎりですべてのブルジョア政党に非妥協的に敵対する社会民主党の独立性をたゆみなくまもることがあげられる。 (ニ)臨時革命政府に社会民主党が参加することが可能かどうかにはかかわりなく、革命の獲得物をまもり、うちかため、拡大するために、社会民主党に指導される武装したプロレタリアートが臨時革命政府にたえず圧力をくわえる必要があるという思想を、プロレタリアートのもっとも広範な諸層のあいだに宣伝すべきである。
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