能楽師の育成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 02:24 UTC 版)
能楽師の多くは何代も続く能楽師の家に生まれた者であり、幼少時から父親による訓練を受ける。彼らの中で最終的に能楽を職業とすることを決断をした者は、所属する流派の宗家の家に数年間住み込んで修行し(内弟子)、能楽を職業とするための初期訓練の仕上げを行う。職業として能楽を選び能楽協会会員となった後も、能楽師としての訓練は生涯続けられる。 しかし、代々能楽を職業とする家やアマチュアの入門者の数が相対的に多いシテ方とは別に、三役(「ワキ方」「囃子方」「狂言方」)として能楽を職業とすることを目指す者の数は非常に少なく、上述のような伝統的な育成システムの行き詰まりは昭和期には明白となった。そこで開始されたのが、国立能楽堂に三役の技能を伝授する学校を設置し、代々能楽を職業とする家の子弟以外の人材を能楽界に取り込むという試みである。この制度は1984年6月に開始された。応募資格は中学卒業以上・経験不問・年齢上限ありというもので、研修期間は6年間である。
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