能勢信子
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能勢 信子(のせ のぶこ、1926年9月25日 - 1998年7月28日)は、日本の経済学者。神戸大学名誉教授。
略歴
兵庫県神戸市出身。1947年大阪経済専門学校[1](現大阪経済大学)卒業[2]。1950年神戸経済大学[3](現神戸大学経済学部)卒業、在学中は新庄博ゼミに所属した[4]。1952年に同大学研究科を終了し同年神戸大学経済経営研究所助手、1956年同助教授、1967年同教授[2]。この間1962年に日本会計研究学会の上野・太田賞を受賞[5]。1965年には神戸大学より経営学博士の学位を取得。学位論文は「社会会計論 : 社会会計の本質および適用に関する研究」 [6]。 1990年神戸大学を停年退官、名誉教授となる。同年より姫路獨協大学教授を務めた。社会会計の研究、構築に努め本邦におけるその第一人者となり[7]、国立大学で初めての女性経済学者として学内外で活躍した。著書『日本経済の構造』:経済学入門(1976年)は1972年にノーベル経済学賞を受賞したジョン・ヒックスとの共著である。1998年7月28日急逝、71歳。正四位、勲三等宝冠章受章[8]。
夫の能勢哲也は神戸商科大学(現兵庫県立大学)の元学長で、勲二等瑞宝章を受章している。また哲也は『夏の日の翔び去る如く―信子のアルバム』(近代文藝社、2000年)として能勢信子の生涯をつづった著書を出版している。
著書
- 『社会会計論』(白桃書房、1961年)
- 『家族経済学』(小玉佐智子共著、有斐閣、1963年、新版、1981年)
- 『企業会計と社会会計』(合崎堅二共編、森山書店、1971年)
- “The Social Framework of the Japanese Economy : An Introduction to Economics”(With Hicks, J. R.)Oxford University Press, 1974
- 上記日本語版『日本経済の構造』:経済学入門(ジョン・ヒックス共著、同文舘出版、1976年)
- 『経済会計の発展』(編著、同文舘出版、1990年)
- 『企業会計の経済学』(アロエ印刷、1999年)
- 『社会会計の構造と発展』(六甲出版、1999年)
- 『非市場活動の国民経済計算』(同文舘出版、1999年)
- 『日本経済の社会会計分析』(有斐閣学術センター、1999年)
翻訳
- ゲアハード・ステューヴェル『社会会計の構造』(同文舘出版、1967年)
- ゲアハード・ステューヴェル『国民経済計算』(同文舘出版、1987年)
- ゲアハード・ステューヴェル『経済指数の理論』(小西康生共訳、同文舘出版、1990年)
記念論集
- 『能勢信子教授退官記念論文集』(神戸大学経済経営研究所、1990年)
脚注
- ^ 旧制専門学校に区分
- ^ a b 能勢信子博士略歴・著作目録 1990, p. 103.
- ^ 旧制大学に区分
- ^ スタディ・グループ 2016, p. 109.
- ^ 小西 1990, p. 85.
- ^ 博士論文書誌データベース
- ^ スタディ・グループ 2016, p. 115.
- ^ 『官報』第2458号、1998年(平成10年)9月2日、pp.9-10
参考文献
- 小西,康生「能勢信子先生:人と学問」『国民経済雑誌』第162巻第5号(能勢信子博士記念号)、神戸大学経済経営研究所、1990年11月、85-102頁。
- 「能勢信子博士略歴・著作目録」『国民経済雑誌』第162巻第5号(能勢信子博士記念号)、神戸大学経済経営研究所、1990年11月、103-110頁。
- スタディ・グループ「V 歴史研究」『わが国における女性会計学者の現状と課題』(レポート) 最終報告書(第75回大会 於静岡)、日本会計研究学会、2016年9月12日、106-255頁 。「2 能勢信子先生の業績と足跡、109-151頁」
固有名詞の分類
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