肥大化の弊害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 11:34 UTC 版)
かつて「日本一の凧合戦」と謳われた浜松の凧であるが、今日では伝統的な凧糸の切り合いの技が見られなくなっている。今でも公式サイトやパンフレットには「チョン掛け」「釣り上げ」といった技の解説が掲載されているが、今日においてそれらの技を見ることは少@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}ない[要出典]。これは祭りの参加町数が過去30年の間に3倍近くまで膨張し、技術そのものを持っていない組が増えたことに加え、会場である遠州灘海浜公園白羽地区(通称「凧場(たこば)」)が手狭になってきていることなどによる。なお、糸切り合戦に消極的な一部の組は、凧を揚げることに特化して骨組みを少なくした軽量凧を使用している。 肥大化による弊害は夜の屋台引き回しや練りでも顕著で、遠方から夜間輸送をしてまで市中心部に屋台を持ってきたり、浜松まつりの屋台ではない秋季に市内各地で行われる収穫祭の太鼓屋台を引き回したりする組が出ており会場は飽和状態にある。かつては、大通りに四方の道路から屋台や練り隊が進入し迫力ある大きな渦も見られたが、現在大通りにおける屋台・練り隊の進行方向は一方(反時計回り)、追い越し禁止、町または連合・ブロック毎に縦列に並び進行、大通り沿いで練りを潰すことができる場所はみずほ銀行浜松支店前の交差点一箇所のみと規制されている。 国内有数の規模に発展した反面で、凧合戦や練りは本来の荒々しさを失い、伝統の継承が危ぶまれる現在にあって、古い時代を知る人々からは浜松まつりの変容を危惧する声があがっている。 また、これに起因して一部では旧町と新参加町の間に軋轢が生じている。例えば「収穫祭の屋台を引き回す新参町は(浜松まつり型屋台ではない為)出るべきではない」などという意見もあり、議論の余地を残したまま(まつり本部の方針により)参加町は増加する一方である。一方で、新参加町の中には「本命は収穫祭、浜松まつりは子供会の行事」といった位置付けの町もあり、これもまた軋轢の一因となっている。
※この「肥大化の弊害」の解説は、「浜松まつり」の解説の一部です。
「肥大化の弊害」を含む「浜松まつり」の記事については、「浜松まつり」の概要を参照ください。
- 肥大化の弊害のページへのリンク