習作とスケッチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/09 04:27 UTC 版)
「カード遊びをする人々」の記事における「習作とスケッチ」の解説
セザンヌは『カード遊びをする人々』のためにたいへんな数の習作と下絵となるドローイングを残している。最も大きな作品からはじめ、小さなものに取りかかっていったと長年考えられてきたが、21世紀になってX線が分析に導入されたほか、残されたスケッチや習作に対してさらなる研究が行われたことで、セザンヌにとっては習作も小さいバージョンの『カード遊びをする人々』も、より大きなカンバスに描くための予備作業に過ぎなかったと考える研究者も現れるようになった。 地元の農夫を描いた10数枚のスケッチおよび色まで塗られた習作は、セザンヌが最後の作品に向けて取り組んだものだった。モデルが実際に画家の前に座っていたのは完成した作品そのものではなく、これらのスケッチを描いているときだったと考えられている。セザンヌがこうした下絵を制作したのはおそらくエクスのカフェのなかであった。 習作のうちの何点かは、それ自体が一個の作品として高く評価されている。ロンドンのコートルード・ギャラリーでこの作品の隣に展示されている『パイプを持つ男』はその典型であり、同時期の同じように煙草を吸う男を題材にした絵と並んで、多くの人がセザンヌの最も優れた肖像画とみなしている。 『パイプを持つ男』(1890年ごろ)油彩、カンバス90 × 72 cmエルミタージュ美術館 『パイプを持つ男』(1892年ごろ)油彩、カンバス73 x 60 cmコートールド・ギャラリー 『パイプを吸う男』(1890–1892年)油彩、カンバス72 x 91 cmプーシキン美術館 『パイプを持つ男』(1890–1892年)油彩、カンバス39 x 30.2 cmネルソン・アトキンス美術館 『カード遊びをする人々のための習作』(1890–1892年)油彩、カンバス32 x 35 cmウースター美術館 『カード遊びをする人々のための習作』(1890–1892年)黒鉛、水彩、紙ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン美術館
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