繁殖のための群れ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 07:39 UTC 版)
同種の多数個体が集まって集団繁殖を行う例もある。例えば、ユビナガコウモリなどいくつかのコウモリは、一定地域の全個体が決まった洞窟に集まり、そこで繁殖を行う。海鳥にも集団繁殖をおこなうものがある。往々にして絶海の孤島が選ばれ、極端な場合はそこにその時期にゆけばその種の全個体を見ることができる。アホウドリなどはこの型に属する。 また、このような集団繁殖と言う様式では、卵などの子孫となる存在が一箇所に集中するため、たとえ天敵が食べようとしても食べきれないという理由が見出せる。集団や多産による生存戦略を選択している生物は多く、サケは産卵場所となる川への遡上の途中でクマに捕食されたりするなどしているが、それ以上に集団で押し寄せるため、幾らクマがサケを食べたとしても、その多くが繁殖に成功してきており、この優位性は人間が捕食側に加わっても、商業主義的な大々的な捕獲を展開する以前には成功していた(20世紀に入ってからは商業漁業で捕獲され過ぎと環境破壊とで人工繁殖が必要にはなったが)。イカなども集団繁殖で捕食者を上回る生存戦略を展開しており、サンゴの中には海面が染まるほど一斉に産卵するものもいる。
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