統合の段階
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/23 06:24 UTC 版)
地域経済統合の段階は、アメリカの国際経済学者ベラ・バラッサにより、以下のように分類されている。 自由貿易協定・地域(FTA) 加盟国間相互で関税その他の貿易に関する障壁を撤廃する。加盟国以外の非加盟国に対しては共通関税を設けず、加盟各国がそれぞれ独自の関税率を設定する。 関税同盟 域内の貿易に関する障壁の撤廃に加えて、非加盟国からの輸入に対して共通関税を設ける。 共同市場 貿易上の制限の撤廃だけでなく、構成国間の労働力・資本などの、生産要素の移動の制限をも撤廃する。ただし、欧州統合における市場統合では、規格や職業資格の相互認証や関連する経済法制や政策の調整に重点が置かれた。 経済同盟 共同市場を基礎として、構成国間における経済政策の調整が、ある程度実施される。 完全な経済統合 経済同盟に加えて、政治的統合をも含む。 この分類によると、1993年に共同市場を誕生させ、なおかつ1999年に域内単一通貨ユーロを誕生させることで、各国の経済政策の調整を図っているEUは、共同市場と経済同盟の中間点にあるといえる。地域経済統合における完全な経済統合は、2019年現在実現していない。 段階が深い順に以下に示す。 特恵貿易地域 自由貿易協定, 通貨同盟 関税同盟, 共同市場 経済同盟, 関税通貨同盟 経済通貨同盟 財政同盟 完全な経済統合 経済統合の段階貿易協定貿易圏内での取り組み圏外に対しての共通貿易障壁協定貿易障壁の自由化共通政策物品サービス資本労働市場物品 (関税)物品 (非関税障壁)サービス資本労働市場金融政策財政政策共通関税非関税障壁特恵貿易地域 TIFA BIT, TIFA 自由貿易協定(FTA) 経済連携協定(EPA) 共同市場 通貨同盟 財政同盟 関税同盟 関税通貨同盟 経済同盟 経済通貨同盟 完全な経済統合 [部分的] — [全面的] — [なし or N/A]
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