細部の公開
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/26 03:59 UTC 版)
『新日本古典文学大系 源氏物語』(1993年(平成5年)~1997年(平成9年))において大島本が全面的に底本として採用された際、当該書籍に係わった校注者5人が改めて大島本を直接調査した。この際の調査の成果は、ごく一部の本文上特に注意すべき個所についてのみではあるものの、大島本の写真入りで解説を付して当該書籍に掲載されたことにより、大島本に多くの補訂が加えられていることが初めて明らかにされた。 1996年(平成8年)には全10巻(解説を収めた別巻1巻付き)からなる大島本の影印本が刊行された。これにより、大島本に存在する大量の補訂作業の痕跡を全帖にわたって容易に調べることが出来るようになった。この撮影の際には、綴じ糸を切って各葉を完全に広げた形で撮影を行ったため、綴じ糸近くに存在したためにそれまで見えなかった傍記の存在や、何度も綴り直したために、多いものでは一葉に10個所もの綴じ穴が存在することが明らかになった。 書籍として刊行された影印本はモノクロであったが、写本の撮影そのものはフルカラーで行われており、2007年(平成19年)12月にフルカラーのままのデータを収め、様々な検索機能が付されているDVD-ROM版が刊行された。
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