細胞接着における役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 09:41 UTC 版)
「β-カテニン」の記事における「細胞接着における役割」の解説
細胞接着複合体は、複雑な動物組織の形成に必要不可欠である。β-カテニンはアドへレンスジャンクションを形成するタンパク質複合体の一部である。細胞接着複合体は上皮細胞の層とバリアの形成と維持に必要である。β-カテニンはこの複合体の一部として、細胞の成長と細胞間の接着を調節する。また、上皮シートが完成した際に細胞分裂に停止を引き起こす、接触阻害シグナルの伝達を担っている可能性がある。E-カドヘリン/β-カテニン/α-カテニン複合体はアクチンフィラメントと弱く結合する。アドへレンスジャンクションがアクチン細胞骨格と連結されるためには大きなダイナミクスが必要であり、それによってメカノトランスダクション(英語版)が行われている。 カドヘリンタンパク質はアドへレンスジャンクションの重要な構成要素である。カドヘリンはアドへレンスジャンクションの他、デスモソームにおいても細胞間ジャンクション構造を形成している。カドヘリンは細胞外のカドヘリンリピートドメインを介してCa2+依存的にホモフィリックな(同種分子との)相互作用を行い、上皮細胞をつなぎ合わせている。アドヘレンスジャンクションでは、カドヘリンは自身の細胞内領域へβ-カテニンをリクルートする。β-カテニンは非常に動的なタンパク質α-カテニンと相互作用し、α-カテニンはアクチンフィラメントと直接結合する。この相互作用は、α-カテニンとカドヘリンがβ-カテニンの異なる部位に結合するために可能となっている。このように、β-カテニン/α-カテニン複合体はカドヘリンとアクチンフィラメントの間を物理的に橋渡ししている。
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