精神科学での定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 05:35 UTC 版)
人の意識そのものの構成を探る精神科学の分野では、象徴とは、意識の中にある複雑な概念が抽象的なイメージとして形を帯びたものと捉える。漠然と「AがBを象徴する」といった場合に、(そこまでの心理解析は行われていないが)究極的にはその関連性や理由を科学的な論拠をもって説明可能とする学問である。 ジャック・ラカンの精神分析理論(仏: schéma RSI)においての象徴とは、自己の内にある概念やイメージの置き換えであり、一般には言語活動によって説明され、言語によって表現されるべき「自己の内に沸きあがるもの」と定義される。言葉それ自体も肉声に置き換えられた象徴であるとする。これは有意識における象徴の発現過程を論ずるものである。 カール・グスタフ・ユングの精神医学の研究(臨床心理学)において発見された無意識に形造られる象徴は、コンプレックスや原型を元とし自己の無意識に沈むイメージと、そこから意識の表層に形となって浮かび上がるものを指す。無意識が与える象徴は、心理学において意識の根底や概形を知る上での重要な手がかりとなる。
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