粒子加速器における四重極磁石
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 14:19 UTC 版)
「四重極磁石」の記事における「粒子加速器における四重極磁石」の解説
詳細は「en:Strong focusing」および「強集束」を参照 四重極磁石の例 オーストラリアン・シンクロトロン(英語版)のストレージリング(英語版)で使われている四重極電磁石 オーストラリアン・シンクロトロン(英語版)のlinacを覆う四重極電磁石(青色)は、電子線を収束させるために使われている 高エネルギー粒子加速器で到達する速度では、磁気偏向は静電偏向よりも強力となり、ローレンツ力の磁気項 F = q ( E + v × B ) {\displaystyle {\boldsymbol {F}}=q({\boldsymbol {E}}+{\boldsymbol {v}}\times {\boldsymbol {B}})} が、荷電粒子線を曲げ、誘導し、収束させるのに必要な「格子」を作る様々な磁石で有効となる。ビーム方向を横断する平面における理想化された四重極磁場の磁場線。赤色矢印は磁場の方向を示し、青色矢印は画面奥方向へ進む正電荷粒子に働くローレンツ力の方向を示す。 格子中の四重極には「F四重極」(水平方向に収束させるが、垂直方向に発散させる)と「D四重極」(垂直方向に収束させるが、水平方向に発散させる)の2つの種類がある。これは電磁気学の法則(マクスウェルの方程式)によるものであり、四重極では両方の平面を同時に収束させることは不可能である。右図は、画面奥に向かって進む正に荷電した粒子を垂直方向に収束させるが、水平方向に発散させる四重極の例である。 F四重極とD四重極が隣接して配置された場合、それらの磁場は(アーンショーの定理に従って)完全に打ち消される。しかし、両者の間に空間がある場合(空間の距離は正しく選ばれなければならない)は、水平方向にも垂直方向にも収束する。ビームを長距離(例えば円の全周)に渡って伝達できるように格子が作られる。一般的な格子はFODO格子(Oは屈曲磁石)である。
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