米朝に一本取られる
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/10 03:49 UTC 版)
好胤の話術について米朝は「人を自分の畑に引き込む力、その要領を教わった」と評価し、前述のように大いに参考にして自分の芸に取り入れていった。その米朝が「師」の好胤をうまくやり込めたことがある。 米朝が薬師寺を訪問した時のこと、床の間にあった、凝胤の書による「本来無一物」の掛け軸が目に留まった。米朝はしきりに無心したが、好胤は相手が誰であろうと譲れないとかたくなに断った。ところが、米朝がここで「本来無一物。これが僧のあるべき姿では」とたたみかけたところ、さしもの好胤も一本取られたのか返答に詰まり、掛け軸は米朝に譲渡された。 その後、米朝の手に渡った掛け軸だが直系の弟子達が関心を示さない中、桂枝雀の弟子である(米朝から見て孫弟子)桂南光が「本来無一物」の意味と入手の経緯を米朝から聞き、非常に関心を示したことから死後の贈与を約束された。 米朝の死後、米朝の実子である桂米團治から約束通り南光へ贈られた。
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