管制官の対応とコミュニケーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 04:34 UTC 版)
「イースタン航空401便墜落事故」の記事における「管制官の対応とコミュニケーション」の解説
推定原因には含まなかったものの、事故調査報告書では管制官の対応に関しても指摘している。 EA401便を担当していた管制官は、レーダー画面に示された同機の高度が900フィート(約270メートル)に下がっていることに気づいていた。フロリダ空港の管制情報システムは当時の最新式だったが導入されて日が浅く、一時的に実際と異なる高度が表示されることがしばしばあった。さらに、管制官が事故機に状況を問い合わせたところ、すぐに乗員から応答があった。したがって、この管制官は、事故機に危険が迫っているとは考えず、管轄していた他機の管制を続けた。事故後の調査において、EA401便に問い合わせたのは同機が管轄空域の境界に近づいたからだったと管制官は証言している。 当時の管制情報システムは、対地間隔情報を提供するようには設計されていなかった。また、そのような情報提供を管制官が行うための業務手順を連邦航空局 (FAA) は定めていなかった。事故調査委員会はこのことを認識した上で、それでも次の見解を示している。 「航空機の総合的な管制業務に関わる者であれば、明らかに危険な状況にある者に警告を行う本質的な責任がある。たとえそれが主たる職務でなくともである」。 また、管制官と乗員の意思疎通がうまくいっていなかった。管制官の「そちらはどんな具合か?」という表現は非常に曖昧だった。EA401便のパイロットは、表示灯のことを尋ねられたと思い込んだ可能性がある。そして、機長がすぐに「大丈夫だ」と返答してしまったことで、管制官はその返事を信用して危険はないと考えてしまった。
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