第3幕 「ブルターニュにあるトリスタンの本城」
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「トリスタンとイゾルデ (楽劇)」の記事における「第3幕 「ブルターニュにあるトリスタンの本城」」の解説
前奏曲 低弦が出す「孤独の動機」は、「憧憬の動機B」の半音階上行をヘ短調の全音階に置き換えたもの。独奏チェロが「トリスタンの嘆きの動機」を示し、トリスタンの心象風景を描く。舞台上でイングリッシュ・ホルンによる「嘆きの調べ」が、空漠とした海を表す。 第1場 深手を負い、気を失ったトリスタンはクルヴェナールによってブルターニュの城に連れ帰されていた。トリスタンは意識を取り戻すものの、傷は悪化しており、クルヴェナールは治療のためイゾルデに使いを送ったことをトリスタンに告げる。これを聞いてトリスタンは興奮し、幻覚の中で近づく船を見る。トリスタンは錯乱の余り昏倒するが再び我に返り、クルヴェナールに船を探すよう命じる。海を渡って自分のもとへやってくるイゾルデを想像しながら恍惚とするトリスタン。 牧人のイングリッシュ・ホルンが船影が見えたことを報せ、クルヴェナールはイゾルデを迎えに港へ駆け下りていく。 第2場 トリスタンはさらに興奮して包帯をはぎ取り、傷口から血が流れ出すのも構わず歩き出し、イゾルデを呼び続ける。イゾルデが大急ぎで現れる。倒れかかったトリスタンをイゾルデが抱き留める。トリスタンは最後の力を振り絞ってイゾルデの名を呼び、彼女の腕の中で息を引き取る。恋人の死に、イゾルデは気を失う。 第3場 牧人がもう一度船の到着を報せる。ブランゲーネ、ついでメーロトが現れる。クルヴェナールはメーロトを襲って殺し、メーロトにつづいてやってきたマルケ王とその家来たちにも撃ちかかる。致命傷を負い、トリスタンの足下で息絶えるクルヴェナール。マルケ王は2人の仲を許すためにイゾルデを追って来たのだったが、この光景を見て悲嘆に暮れる。 ブランゲーネに介抱されたイゾルデが意識を取り戻す。これよりイゾルデの「愛の死」。神々しく面変わりしたイゾルデがトリスタンの遺骸の上にくずおれる。ロ長調の主和音による終結。
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