第二段階――ヒルティウスの到着
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/02 01:00 UTC 版)
「フォルム・ガッロルムの戦い」の記事における「第二段階――ヒルティウスの到着」の解説
フォルム・ガッロルムの沼地で重傷を負ったパンサは、同僚執政官であるヒルティウスに向け使者を送り、自軍が不測の戦闘に巻き込まれて危うい状況にあることを伝えた。この時、ヒルティウスは戦場から約60スタディア (c. 9.5 km)の距離にいた。彼は直ちに第4軍団マケドニカを率いてパンサ救援に向かった。この軍団もマルティア軍団と同様、ブルンディシウムでアントニウス軍から離脱したカエサル古参兵の軍団だった。この部隊の動きは素早く、14日午後遅くにはアントニウス軍をとらえて奇襲をかけた。激しい戦闘で疲れ果て、足並みも不ぞろいにムティナを目指していたアントニウス軍は、前方への注意がおろそかになっていた。 ヒルティウス率いる第4軍団マケドニカの兵は経験豊富で休息も十分とれていた。彼らは密集陣形を取り、秩序を失い疲れ切ったアントニウス軍に突撃した。アントニウス軍の兵も最初は勇敢に抵抗しようとしたものの、とても及ぶところではなく、ヒルティウス麾下のカエサル古参兵によって大損害を受け崩壊した。アントニウス軍は、沼地や近くの森へ散り散りに逃げて行った。2本のアクィラをはじめ、その他60本ものヴェクシロイドが敵の手に落ちた。アントニウスは騎兵を使ってなんとか残存兵をかき集め、夜陰に紛れてムティナへ戻った。ヒルティウスは敵の罠を警戒したこともあって、この夜にアントニウス軍団を追撃し撃滅することができなかった。こうして、長いフォルム・ガッロルムの戦いは終結した。周辺の沼地は兵の武装や鞄、馬、そして2回の戦闘による両軍の遺体によって埋め尽くされた。 この4月14日の戦いには、オクタウィアヌスはほとんど関わっていない。彼は3個軍団と共にムティナの包囲陣を監視し、ルキウス・アントニウスの陽動攻撃を撃退するので手いっぱいだった。2人の執政官と比べて役割が小さかったにもかかわらず、オクタウィアヌスは彼の部隊によってインペラトル(凱旋将軍)と呼ばれ喝采を受けた。
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