第一巻・春の雪
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執筆期間は1965年(昭和40年)6月から1966年(昭和41年)11月まで。 モデルとなる寺の取材のため、三島が初めて奈良県の圓照寺に行った日は1965年(昭和40年)2月26日である。松枝侯爵邸のモデル(環境および建築としての邸のモデル)は、西郷従道の邸宅で、この洋風建築は博物館明治村に保存されている。 松枝家の別邸として登場する「終南別業」(王摩詰の詩の題をとって号した)は、旧加賀藩主・前田本家第16代目当主・前田利為侯爵家の広壮な別邸をモデルとしている。加賀藩・前田家は、三島の祖父・橋健三、曽祖父・橋健堂が代々仕えた家である。綾倉聡子のモデルとしては北白川祥子#その他を参照。 三島は『春の雪』において、〈会話のはしばしにまで、古い上流階級の言葉の再現〉をしたとし、〈あと十年もたてば、これらの言葉は全くの死語となるであらう〉と述べ、『春の雪』は、〈『花ざかりの森』や『盗賊』の系列の延長線上にあるもの〉としている。
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