競走の進行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 17:32 UTC 版)
スタート前、前レースの終了直後には選手紹介が行われる。この時すでにレースは始まっているともいわれ、各選手はラインや戦法について意思表示をし、バンクを軽く2、3周する。このスタート紹介は、「地乗り」「脚みせ」とも呼ばれる。「地乗り」「脚みせ」が終わると、選手達は一旦控え室に戻る。レース直前に多くの選手が清めの塩を、自身の体や自転車にかける。 発走時間になると、選手が発走機に集まり、自転車を固定する。係員の合図で客席に一礼したあと自転車に跨る。サドルに座り、足を、履いているレーサーシューズの上からクリップバンドでペダルに縛り付け、「構えて!」の号令で各自ハンドルを握る。スターターのスターターピストルと発走台は電気接続されており、号砲と共にロックが外れる。 号砲後、ロックが外れない、選手が落車したなどのトラブルがあれば、鐘を連打したりピストルを鳴らして選手に競走中止を伝え、再発走となる。 スタートしてから25メートルラインを過ぎると競走は成立する(なお周回板の掲示間違いなどで競走不成立となる場合を除く)。 レース序盤は先頭誘導員を先頭に、全選手が一列(一列棒状)の隊列を組んで走るのが一般的である。その原因としては、隊列を外れると他の選手よりも外を走り、したがってより長い距離を走らなければならなくなること、他の選手の直後を走る場合よりも大きな風圧を受けることが挙げられる。ただし、位置取りを巡って争いが生じた場合は別である。 残りの周回数が3周になると、周回数を示す板が白色から青色の青板(あおばん)に変わり、さらに残り2周で赤色の赤板(あかばん)に変わる。先頭の選手が残り1周半を通過すると半鐘が打ち鳴らされる。これを「ジャン」といい、ゴールラインを通過して残り1周となるまで鳴らされ続ける。ここから誘導員が抜けてラストスパートがかかり、ゴールまで息詰まるデッドヒートが展開される。各車が込み合うような展開の場合には、時として接触・落車事故が発生することがある。 レース終了後は、各選手に対して、敢闘門に同県や同地区の(そのレースに出ていない)選手が自転車を取りに来てくれる風習がある。また、どのレースでも、勝利した選手が他の選手に自腹でポカリスエット(かつてはリポビタンDも)を配るのが慣わしとなっている。 悪天候などである日が中止となった際、順延しない場合の開催では、準決勝や決勝の進出者は抽選による「みなし着順」で決まる。また、万が一あるレースで9選手全員が1着同着となった場合の勝ち上がりについても、その対応を決めてある。その他、ガールズケイリンではポイント制のため、決勝ないし準決勝において予選での獲得ポイント第7位が複数名いた場合、抽選で決勝ないし準決勝進出者を決定する。
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