競売における担保責任
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/20 22:59 UTC 版)
競売においてはその結果を確実にして事後の紛争を生じさせないよう売主の担保責任が軽減されている。 物や権利の全部または一部の不存在民事執行法その他の法律の規定に基づく競売における買受人は、541条、542条、563条の規定により、債務者に対し、契約の解除をし、又は代金の減額を請求することができる(568条第1項)。2017年の改正前民法の568条1項では「強制競売」となっていたが、本条は担保権の実行による任意競売にも適用があるとされていた(通説・判例。大判大8・5・3民録25輯729頁)。2017年の改正民法で「強制競売」から「民事執行法その他の法律の規定に基づく競売」に改められ、担保権の実行による競売や公売も含まれることが明文化された。この場合において、債務者が無資力であるときは、買受人は代金の配当を受けた債権者に対し、その代金の全部・一部の返還を請求することができる(568条第2項)。 合意による売買との違いは競売の場合には原則として損害賠償が認められないことである。ただし、債務者が物若しくは権利の不存在を知りながら申し出なかったとき、又は債権者がこれを知りながら競売を請求したときは、買受人はこれらの者に対し損害賠償の請求をすることができる(568条第3項)。 以上は2017年の改正前民法の権利の瑕疵の場合に相当する。 目的物の種類又は品質に関する不適合目的物の種類又は品質に関する不適合の場合は契約不適合責任は排斥される(568条第4項)。 2017年の改正前民法でも物の瑕疵の場合は担保責任が排斥されていた(旧570条ただし書)。
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