空気ブレーキとその問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/28 07:41 UTC 版)
列車(鉄道車両)においては、古くから空気ブレーキが用いられてきた。これは運転席にあるブレーキ弁を操作することにより、車両間に引き通した一本の空気管(ブレーキ管)の圧力を調整することでブレーキを作動もしくは緩解するのが基本である。 このようなブレーキの制御を空気管の圧力のみに頼る方法として、直通ブレーキや自動空気ブレーキがある。前者は圧縮空気により直接ブレーキを作動させ、後者は高圧のブレーキ管を減圧させることでブレーキを作用させる。しかし、これらの方法では列車の編成が長くなると圧力の変化が瞬時に列車全体に伝わらず、応答が遅れることが問題となった。 そこでブレーキの応答性を高めるため、ブレーキ弁操作と連動して各車両に設けた電磁弁によりブレーキ圧力の制御を行なう電磁自動空気ブレーキおよび電磁直通ブレーキが開発された。電磁弁は電気信号により瞬時に各車両に伝わることから、高い応答性が得られる。とりわけ後者は応答性が高く、1980年ごろまで電車のブレーキとして多用された。1980年代以降はブレーキ弁操作による空圧指令を排して、電気信号のみで制御する電気指令式ブレーキが主流となり、電車のみならず新型の気動車にも採用されてさらに高いブレーキ応答性を実現している。
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