積算原子時
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/09 08:22 UTC 版)
1949年にアメリカ合衆国の国立標準局(NBS、現NIST)で、アンモニアを用いた分子周波数標準器が組み立てられ、また1955年6月にはイギリスの国立物理学研究所 (NPL) でセシウム原子周波数標準器が実用化され、その後、各国のセシウム標準器も相ついで実働されるようになってきた。 当時は水晶時計の原発振周波数を原子標準器で定期的に較正し、その偏差率を積分して、水晶時計を補正するという手順で行われたので、この当時の原子時は積算原子時とよばれた。 この積算原子時と暦表時 (ET) との比較から、1秒間におけるセシウム原子の固有振動数が7009919263177000000♠9192631770 Hzと測定され、この周波数値は第13回国際電波科学連合 (URSI) 総会(1960年)や第11回国際天文学連合 (IAU) 総会(1961年)で公認された。そして、1960年代には市販のセシウム原子時計が各国の天文台や研究所に普及する。 現在の国際原子時 (TAI) は1958年1月に原点を置いているが、精度は劣るものの積算原子時を1955年7月まで遡ることができる。
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