曜変天目茶碗
(稲葉天目 から転送)
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曜変天目茶碗(ようへんてんもくちゃわん)は、天目茶碗のうち、最上級とされるもの。曜変天目と略称され[1]、「曜変」は「耀変」と書かれることもある。
注釈
- ^ 『能阿相伝集』「曜変、天下に稀なる物也。薬の色如豹皮建盞の内の上々也」。『君台観左右帳記』「曜変、建盞の内の無上也、世上になき物也」とある。
- ^ 山崎一雄は「青紫色の光彩は釉上の被膜によって生じた光の干渉色」としている(山崎一雄「曜変天目と油滴天目」『金沢大学考古学紀要』第21巻、金沢大学文学部考古学講座、1994年、169-172頁、CRID 1390291932643215744、doi:10.24484/sitereports.118444-45799、hdl:2297/2760、ISSN 0919-2573。)。
- ^ 近年では、1990年および2000年に東京国立博物館で開催された「日本国宝展」、2017年に京都国立博物館で開催された「特別展覧会 国宝」、2019年にMIHO MUSEUMで開催された「大徳寺龍光院 国宝曜変天目と破草鞋」において展示された。
- ^ 小山冨士夫は、国宝3椀に大佛次郎旧蔵のものを加えた四点が「現在わが国にある曜変天目である」とはしながらも、私見と断った上で、この曜変について「内面に一部曜変があるだけ」、「内面に美しい曜変が一面にあるのは静嘉堂、藤田美術館、龍光院の三碗」とした[7]。
- ^ 西田宏子は、「特徴を厳密に区別すると、国宝の三椀が曜変として分類される」とし、本椀は含まない事を示唆した[10]。
- ^ 小山と共に曜変天目を研究した山﨑一雄は、大佛次郎旧蔵の曜変天目を、国宝3椀とも普通の油滴天目とも異なる「別種の曜変天目」としている(『古文化財の科学』参照)。
- ^ 足利義政の東山御殿宝物台帳『君台観左右帳記』によれば、「地は大変黒く、濃い瑠璃色や淡い瑠璃色の星型の斑点が一面にあって、黄色や白、ごく淡い瑠璃色などが種々混じって、絹のように華やかな釉もある」と記されている。
- ^ 『名物目利聞書』に「曜変、稲葉丹州公にあり、東山殿御物は信長公へ伝へ、焼亡せしより、比類品世に屈指数無之なり」とある[19]。
出典
- ^ a b c d e f g h i 世界に三つの国宝茶碗 曜変天目ぬいぐるみ人気 こだわりの「実寸大」手に取る喜び『毎日新聞』夕刊2022年11月29日1面(同日閲覧)
- ^ a b c 山崎 1987, pp. 230–243, 「曜変天目」
- ^ 小山富士夫 1974, p. 104-108.
- ^ a b c d e f “「曜変天目」器に宇宙を見る”. NHKニュース (日本放送協会). (2013年2月7日). オリジナルの2013年2月7日時点におけるアーカイブ。 2013年2月7日閲覧。
- ^ a b “数奇な伝来、存在自体が謎…国宝の名茶器「曜変天目」”. 産経新聞 (2013年1月30日). 2013年2月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月23日閲覧。
- ^ a b 出川 2016.
- ^ a b 小山富士夫 1974, p. 104.
- ^ a b c 水上 2013.
- ^ a b c 2012年11月30日、中日新聞夕刊「謎解けるか曜変天目 中国で初出土 焼成法にも光」
- ^ a b c 西田宏子・佐藤サアラ『中国の陶磁 第6巻 天目』平凡社、1999年
- ^ a b 文化遺産ベータベース
- ^ 静嘉堂文庫美術館 Archived 2011年7月26日, at the Wayback Machine.
- ^ 曜変天目茶碗 藤田美術館
- ^ a b 文化遺産ベータベース
- ^ 『NHK 国宝への旅 第2巻』
- ^ a b 文化遺産データベース
- ^ 耀変天目 - 文化遺産オンライン(文化庁)
- ^ a b 文化遺産ベータベース
- ^ a b 小山富士夫 1974, p. 105.
- ^ a b c d e 小林仁「新発見の杭州出土曜変天目茶碗」『陶説』716号(2012年11月)
- ^ 大正名器鑑 国立国会図書館デジタルコレクション
- ^ 曜変天目 - 文化遺産オンライン(文化庁)
- ^ “「鑑定団」、曜変天目茶碗に2500万円 「意外と安い」と思われるワケ”. J-CASTニュース. (2016年12月21日)
- ^ “国宝級の曜変天目茶碗か テレ東の鑑定番組で発見”. 日本経済新聞. (2016年12月20日) 2016年12月20日閲覧。
- ^ “世界で4つ目の曜変天目茶碗が発見される”. 財経新聞. (2016年12月22日)
- ^ “なんでも鑑定団・国宝級茶碗に陶芸家「どう見てもまがい物」”. NEWSポストセブン. (2017年1月23日)
- ^ “なんでも鑑定団・2500万円茶碗に陶芸家が疑問の声上げた理由”. NEWSポストセブン. (2017年1月24日)
- ^ “「曜変天目茶碗ではない」陶芸家の長江惣吉氏が訴える なんでも鑑定団に異議”. The Huffington Post. (2017年1月28日)
- ^ “【衝撃事件の核心】「中国の土産物屋で数千円レベル」なんでも鑑定団〝国宝級茶碗〟騒動余波 ネットも過熱「娯楽番組では済まされないぞ」(2/4ページ)”. 産経ニュース. (2017年2月16日)
- ^ “『なんでも鑑定団』国宝級!?茶碗 中国のオバちゃん「作ったのは私」”. FLASH (光文社).
- ^ https://www.youtube.com/watch?v=YySJGCT4lv0
- ^ “鑑定団で「2500万円」国宝級お宝は1400円? 国分、困惑「鑑定でそんなミス…」”. スポニチ. (2018年1月17日)
- ^ “『なんでも鑑定団』国宝級茶碗に中国人が「作ったのは私!」”. Smart FLASH. (2018年2月20日)
- ^ 小山冨士夫、山崎一雄「曜変天目の研究」『古文化財の科学』第6号、古文化財科学研究会、1953年、19-28頁。
- ^ a b 海老塚昇, 岡本隆之「国宝油滴天目茶碗の光彩に関する一考察」(PDF)『光学』第52巻第9号、日本光学会、2023年9月、393-400頁、CRID 1520016339413831552、ISSN 03896625。
- ^ “国宝油滴天目茶碗の曜変(光彩)の秘密を探る”. www.riken.jp. 2023年10月12日閲覧。
- ^ ハイビジョンスペシャル 「幻の名碗 曜変天目に挑む」(NHK-BS、2003年)
- ^ a b ETV特集『曜変 - 陶工・魔性の輝きに挑む』(2016年6月11日 NHK Eテレ)
- ^ 阿部善也, 小林仁, 福嶋喜章, 村串まどか, 長江惣吉, 藤田清, 中井泉「藤田美術館所蔵の国宝「曜変天目茶碗」の理化学的研究 : 釉薬の光彩の発色に関して」『文化財科学』第87号、日本文化財科学会、2023年、31-44頁、CRID 1520016107278571008、ISSN 24342572。
- ^ “神秘の輝き、再現成功 曜変天目、京焼展最高賞に 陶芸家・土渕さん”. 毎日新聞 (京都). (2020年2月28日)
- ^ “「茶碗の中に小宇宙」曜変天目の再現に挑む、京都の陶芸家、3千-4千通り試作”. 京都新聞. (2020年2月26日). オリジナルの2020年2月26日時点におけるアーカイブ。
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