稲葉天目とは? わかりやすく解説

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曜変天目茶碗

(稲葉天目 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/07 10:25 UTC 版)

曜変天目茶碗(ようへんてんもくちゃわん)は、天目茶碗のうち、最上級とされるもの。曜変天目と略称され[1]、「曜変」は「耀変」と書かれることもある。


注釈

  1. ^ 『能阿相伝集』「曜変、天下に稀なる物也。薬の色如豹皮建盞の内の上々也」。『君台観左右帳記』「曜変、建盞の内の無上也、世上になき物也」とある。
  2. ^ 山崎一雄は「青紫色の光彩は釉上の被膜によって生じた光の干渉色」としている(山崎一雄「曜変天目と油滴天目」『金沢大学考古学紀要』第21巻、金沢大学文学部考古学講座、1994年、169-172頁、CRID 1390291932643215744doi:10.24484/sitereports.118444-45799hdl:2297/2760ISSN 0919-2573 )。
  3. ^ 近年では、1990年および2000年東京国立博物館で開催された「日本国宝展」、2017年京都国立博物館で開催された「特別展覧会 国宝」、2019年MIHO MUSEUMで開催された「大徳寺龍光院 国宝曜変天目と破草鞋」において展示された。
  4. ^ 小山冨士夫は、国宝3椀に大佛次郎旧蔵のものを加えた四点が「現在わが国にある曜変天目である」とはしながらも、私見と断った上で、この曜変について「内面に一部曜変があるだけ」、「内面に美しい曜変が一面にあるのは静嘉堂、藤田美術館、龍光院の三碗」とした[7]
  5. ^ 西田宏子は、「特徴を厳密に区別すると、国宝の三椀が曜変として分類される」とし、本椀は含まない事を示唆した[10]
  6. ^ 小山と共に曜変天目を研究した山﨑一雄は、大佛次郎旧蔵の曜変天目を、国宝3椀とも普通の油滴天目とも異なる「別種の曜変天目」としている(『古文化財の科学』参照)。
  7. ^ 足利義政の東山御殿宝物台帳『君台観左右帳記』によれば、「地は大変黒く、濃い瑠璃色や淡い瑠璃色の星型の斑点が一面にあって、黄色や白、ごく淡い瑠璃色などが種々混じって、絹のように華やかな釉もある」と記されている。
  8. ^ 『名物目利聞書』に「曜変、稲葉丹州公にあり、東山殿御物は信長公へ伝へ、焼亡せしより、比類品世に屈指数無之なり」とある[19]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i 世界に三つの国宝茶碗 曜変天目ぬいぐるみ人気 こだわりの「実寸大」手に取る喜び毎日新聞』夕刊2022年11月29日1面(同日閲覧)
  2. ^ a b c 山崎 1987, pp. 230–243, 「曜変天目」
  3. ^ 小山富士夫 1974, p. 104-108.
  4. ^ a b c d e f “「曜変天目」器に宇宙を見る”. NHKニュース (日本放送協会). (2013年2月7日). オリジナルの2013年2月7日時点におけるアーカイブ。. https://megalodon.jp/2013-0207-1610-13/www3.nhk.or.jp/news/html/20130207/t10015354641000.html 2013年2月7日閲覧。 
  5. ^ a b 数奇な伝来、存在自体が謎…国宝の名茶器「曜変天目」”. 産経新聞 (2013年1月30日). 2013年2月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月23日閲覧。
  6. ^ a b 出川 2016.
  7. ^ a b 小山富士夫 1974, p. 104.
  8. ^ a b c 水上 2013.
  9. ^ a b c 2012年11月30日、中日新聞夕刊「謎解けるか曜変天目 中国で初出土 焼成法にも光」
  10. ^ a b c 西田宏子・佐藤サアラ『中国の陶磁 第6巻 天目』平凡社、1999年
  11. ^ a b 文化遺産ベータベース
  12. ^ 静嘉堂文庫美術館 Archived 2011年7月26日, at the Wayback Machine.
  13. ^ 曜変天目茶碗 藤田美術館
  14. ^ a b 文化遺産ベータベース
  15. ^ 『NHK 国宝への旅 第2巻』
  16. ^ a b 文化遺産データベース
  17. ^ 耀変天目 - 文化遺産オンライン文化庁
  18. ^ a b 文化遺産ベータベース
  19. ^ a b 小山富士夫 1974, p. 105.
  20. ^ a b c d e 小林仁「新発見の杭州出土曜変天目茶碗」『陶説』716号(2012年11月)
  21. ^ 大正名器鑑 国立国会図書館デジタルコレクション
  22. ^ 曜変天目 - 文化遺産オンライン文化庁
  23. ^ “「鑑定団」、曜変天目茶碗に2500万円 「意外と安い」と思われるワケ”. J-CASTニュース. (2016年12月21日). https://www.j-cast.com/2016/12/21286701.html 
  24. ^ 『なんでも鑑定団』で発見された曜変天目茶碗、鑑定額は2,500万円に”. マイナビニュース (2016年12月20日). 2016年12月20日閲覧。
  25. ^ “国宝級の曜変天目茶碗か テレ東の鑑定番組で発見”. 日本経済新聞. (2016年12月20日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG20HAU_Q6A221C1000000/ 2016年12月20日閲覧。 
  26. ^ “世界で4つ目の曜変天目茶碗が発見される”. 財経新聞. (2016年12月22日). https://www.zaikei.co.jp/article/20161222/343894.html 
  27. ^ “なんでも鑑定団・国宝級茶碗に陶芸家「どう見てもまがい物」”. NEWSポストセブン. (2017年1月23日). http://www.news-postseven.com/archives/20170123_486322.html 
  28. ^ “なんでも鑑定団・2500万円茶碗に陶芸家が疑問の声上げた理由”. NEWSポストセブン. (2017年1月24日). http://www.news-postseven.com/archives/20170124_486376.html 
  29. ^ “「曜変天目茶碗ではない」陶芸家の長江惣吉氏が訴える なんでも鑑定団に異議”. The Huffington Post. (2017年1月28日). https://www.huffingtonpost.jp/2017/01/25/nandemo-kantei-dan-youhen-03_n_14381954.html 
  30. ^ “【衝撃事件の核心】「中国の土産物屋で数千円レベル」なんでも鑑定団〝国宝級茶碗〟騒動余波 ネットも過熱「娯楽番組では済まされないぞ」(2/4ページ)”. 産経ニュース. (2017年2月16日). https://www.sankei.com/article/20170216-Z6HFZRWROZK5VMAA7NBDQ7S7LA/2/ 
  31. ^ “『なんでも鑑定団』国宝級!?茶碗 中国のオバちゃん「作ったのは私」”. FLASH (光文社). 
  32. ^ https://www.youtube.com/watch?v=YySJGCT4lv0
  33. ^ “鑑定団で「2500万円」国宝級お宝は1400円? 国分、困惑「鑑定でそんなミス…」”. スポニチ. (2018年1月17日). https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2018/01/17/kiji/20180117s00041000081000c.html 
  34. ^ “『なんでも鑑定団』国宝級茶碗に中国人が「作ったのは私!」”. Smart FLASH. (2018年2月20日). https://smart-flash.jp/sociopolitics/34411/ 
  35. ^ 小山冨士夫、山崎一雄「曜変天目の研究」『古文化財の科学』第6号、古文化財科学研究会、1953年、19-28頁。 
  36. ^ a b 海老塚昇, 岡本隆之「国宝油滴天目茶碗の光彩に関する一考察」(PDF)『光学』第52巻第9号、日本光学会、2023年9月、393-400頁、CRID 1520016339413831552ISSN 03896625 
  37. ^ 国宝油滴天目茶碗の曜変(光彩)の秘密を探る”. www.riken.jp. 2023年10月12日閲覧。
  38. ^ ハイビジョンスペシャル 「幻の名碗 曜変天目に挑む」(NHK-BS、2003年)
  39. ^ a b ETV特集『曜変 - 陶工・魔性の輝きに挑む』(2016年6月11日 NHK Eテレ
  40. ^ 阿部善也, 小林仁, 福嶋喜章, 村串まどか, 長江惣吉, 藤田清, 中井泉「藤田美術館所蔵の国宝「曜変天目茶碗」の理化学的研究 : 釉薬の光彩の発色に関して」『文化財科学』第87号、日本文化財科学会、2023年、31-44頁、CRID 1520016107278571008ISSN 24342572 
  41. ^ “神秘の輝き、再現成功 曜変天目、京焼展最高賞に 陶芸家・土渕さん”. 毎日新聞 (京都). (2020年2月28日) 
  42. ^ “「茶碗の中に小宇宙」曜変天目の再現に挑む、京都の陶芸家、3千-4千通り試作”. 京都新聞. (2020年2月26日). オリジナルの2020年2月26日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200226171202/https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/169144 





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