曜日蒼龍
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/13 09:05 UTC 版)
曜日 蒼龍(かがひ/かがい そうりゅう[注釈 1]、安政2年(1855年)[1] - 1917年(大正6年)1月29日[1])は、明治時代に活動した浄土真宗本願寺派の僧侶。1889年(明治22年)にハワイに渡航し、在留日本人への開教(布教)活動を行った最初の僧侶として知られている[5]。この活動は、本願寺派のハワイ開教の初期の例であり[6]、また日本仏教の英語圏での開教の先駆でもあった[6]。別号に点紅[7]。
注釈
- ^ 「曜日」という名字について、『デジタル版 日本人名大辞典+Plus』[1]は「かがひ」と読み仮名を付し、本派本願寺ハワイ別院の日本語ページでは「かがい」と読み仮名を付す[2]。英語テキストでは Kagai[3], Kagahi[4] ともに使用例がある。
- ^ 『布哇紀行』にはハワイ渡航を前に妻子と別れを惜しむ描写があり[8]、この頃までには結婚していたことがわかる。
- ^ 江戸時代、本願寺派では三業惑乱などの異安心事件が相次いだために本山(西本願寺)の権威が低下し、相対的に地方における教学の地位が高まったことで、各地の「学寮」で特色のある教学が発展した[11][14]。学寮は地方の権威ある学僧の下に、その学風を慕った僧侶が集まり、共同生活をしながら宗学・仏教学を学ぶ[15]。明治中期以降に学校が整備されることにより、京都が教学の中心としての地位を確立する[11]。
- ^ 東陽学寮周辺からは、中津に杜開学寮を開いた西沢道朗[16]、本願寺派の勧学を務めた雲山龍珠・杉紫朗・豊水楽勝といった人物が輩出している[16]。また、円月の子・東陽円成も東陽学寮を継ぎ、名声があった。
- ^ 米穀商・酒造業をいとなんだ[17]
- ^ 円月は詩歌や俳句、華道・茶道を能くしたために、地域の若い人々の中にはこれを縁として信仰に入ったものも少なくないという[18]。
- ^ 「ひとしく真実の教法に結ばれて生きるとも」。「同行」ともいう[20]。おおむね、浄土真宗の門徒の意。
- ^ 守谷によれば「木村斎次」[22]。高山は「木村斉治」と表記する[8]。
- ^ 井上順孝によれば、阿弥陀仏とキリスト教の神(ゴッド)を同一視する方便を用いた、という[24]。
出典
- ^ a b c d e “曜日蒼竜”. デジタル版 日本人名大辞典+Plus. 2023年8月24日閲覧。
- ^ “日本語でのハワイ別院案内”. 本派本願寺ハワイ別院. 2023年8月24日閲覧。
- ^ “Buddhist Churches of America”. Discover Nikkei. 2023年8月25日閲覧。
- ^ “Temple History”. Honpa Hongwanji Hawaii Betsuin. 2023年8月25日閲覧。
- ^ a b c 淺井宣亮 2011, p. 313.
- ^ a b 高山秀嗣 2011, p. 2.
- ^ “曜日, 点紅, 1855-1917”. NDL Authorities. 国立国会図書館. 2023年8月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l 高山秀嗣 2011, p. 3.
- ^ “東陽円月”. デジタル版 日本人名大辞典+Plus. 2023年8月24日閲覧。
- ^ 高山秀嗣 2011, pp. 6–7.
- ^ a b c d e 高山秀嗣 2011, p. 7.
- ^ a b 高山秀嗣 2011, p. 6.
- ^ 高山秀嗣 2011, p. 10.
- ^ 藤井健志 1986, pp. 46–48.
- ^ 藤井健志 1986, pp. 47–48.
- ^ a b 藤井健志 1986, p. 48.
- ^ “小今井 乗桂(こいまい じょうけい)【1814(文化11)~1887(明治20)】”. 豊前市. 2023年8月25日閲覧。
- ^ a b c d e f 藤井健志 1986, p. 51.
- ^ a b 藤井健志 1986, p. 52.
- ^ 小野蓮明. “同朋”. 大谷大学. 2023年8月25日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 本多千絵 1994, p. 75.
- ^ a b 守谷友江 2008, p. 118.
- ^ a b c d 高山秀嗣 2011, p. 4.
- ^ a b c d e f g h 井上順孝. “第一波の教団 相次ぐ開教 同県意識と宗教所属 重複所属 ”. 海を渡った日本宗教 ―移民社会の内と外―. 2023年8月12日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k 高山秀嗣 2011, p. 5.
- ^ a b c d e 高山秀嗣 2011, p. 12, 注18.
- ^ “海外活動拠点―ハワイ”. 浄土真宗本願寺派国際センター. 2023年8月21日閲覧。
- ^ 淺井宣亮 2011, pp. 312–313.
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