神田界隈の人々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/10 07:00 UTC 版)
卯之吉(うのきち) 「かがり屋」のある地域を縄張りにする地廻り(やくざ)で、何かあればお上の探索の手伝いもしている。女郎宿の上前をはねたり、手柄欲しさに手当たり次第に人を捕まえたりするので、てまりは鼠のような奴だと言って嫌っている。 貸本屋の万蔵が死んだ事件の犯人として、てまりを捕縛した。 万蔵 貸本屋で、御箪笥町時代のてまりの馴染み。性的不能であり、それを女郎のせいにして責めたり、代金を値切ったりしたため、てまりには嫌われていた。かがり屋にもやってきたが、事情を知った女将に出入り禁止にされた。 あるとき死体となって見つかる。毒殺されたと思われるが、毒の種類がはっきりしなかった。しかし、正縁の協力によって、樒の毒であることが判明する。 井筒屋の番頭 薬種店の番頭。万蔵の死因を探るため、正縁が井筒屋を訪れたとき、媚薬について教えてくれた。また、万蔵を死に至らしめた毒が樒だと判明した際には、精力剤の大茴香(だいういきょう)と樒の実とが似ていることや、媚薬の多くに少量の毒が使われていることを新藤同心に解説した。 菊次 小間物商。てまりに身請けの約束をし、その証として高価な櫛を贈った。上方に仕入れ旅に出ていることになっている。しかし、実際はてまりを騙して他の遊女屋に転売するつもりであり、贈った櫛も偽物。かつては、おみのも同じ手で騙して足抜けさせたが、途中で気づかれて逃げられた。 精力剤と自作し、大茴香の代わりによく似た樒の実を用いたため、それを飲んだ万蔵ら3人が死んだ。そのため、高飛びを計画していたとき、おみのと再会し、酒を飲まされててまりを騙していることや、偽薬で万蔵らを死なせてしまったことをしゃべらされた。そして、おみのに絞殺され、遺体は床下の古井戸に投げ込まれた。
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