磐城海岸軌道時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 16:58 UTC 版)
後に小名浜臨港鉄道、現在の福島臨海鉄道となる磐城海岸軌道がこの区間の鉄道路線の嚆矢である。泉駅と小名浜の間には762 mm軌間の東商会の馬車鉄道が軌道法により営業を行っていたところ、江名村からの漁獲物の輸送のために小名浜から江名に至る軌道の計画が起こった。江名軽便鉄道として特許出願し、1913年(大正2年)8月26日軌道敷設特許状が下付された。磐城海岸軌道として会社を設立し、廃線になった三春馬車鉄道より不要になった車両、資材を購入し、1916年(大正5年)7月26日に開業した。貨車は東商会の路線を泉まで直通した。翌1917年(大正6年)12月19日に東商会の泉 - 小名浜の路線を譲り受けることが出願され、泉から江名まで同一事業者による運行となった。 小名浜 - 江名は輸送量が少なく、保守も思うに任せなかったという。線路敷が個人の所有地内を通っていたことなどもあり、軌道敷設特許が1936年(昭和11年)12月5日に取り消しとなった。ここに江名への鉄路は一度途絶えることになったが、残る根元の泉 - 小名浜は運行をつづけた。 翌1937年(昭和12年)、磐城海岸軌道は沿線に進出する日本水素工業(日本化成の前身)の資本参加を受け、小名浜臨港鉄道に改称、地方鉄道法による営業に変更、1941年(昭和16年)に1,067 mmに改軌開業した。
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