磁気偏角の発見者?
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 19:53 UTC 版)
「クリストファー・コロンブス」の記事における「磁気偏角の発見者?」の解説
上記のような歴史的・文化的業績への評価とは別に、コロンブスには地球磁気のズレ(偏角)の発見者という功績を帰せられることがあった。 現存する第1回航海の記録である、息子エルナンデスの『コロンブス提督伝』とラス・カサスの『コロンブス航海誌』双方の1492年9月13日の項に、「夜は北西を指していた羅針が、朝には北東を指していた」という記述がある。 これを受けて、J・C・ポッゲンドルフ『物理学史』(1879)やパーク・ベンジャミン『The Intellectual Rise in Electricity』(1895)のように、コロンブスを偏角の変化ないし偏角そのものの発見者として記載する資料がある。しかしこうした傾向に対する反論は、A・クリフトン・ミッチェルらによって1930年代からなされてきた。ミッチェルは『コロンブス提督伝』第2回航海の記述において、コロンブスがヨーロッパの偏角を想定して造られた羅針盤を携行していることに注目し、コロンブスが第1回航海で初めて偏角を発見したのだとしたら羅針盤の発達がありえないほど迅速であると指摘している。つまり、1492年の以前からヨーロッパの航海士や羅針盤製作者には偏角の存在が知られていたと解するのが自然である。とはいえ、コロンブスの航海記録が現存する西洋での最古の定量的な磁気偏角測定であることには変わりない。
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