磁気モーメントの理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/27 07:24 UTC 版)
「ミューオンg-2実験」の記事における「磁気モーメントの理論」の解説
荷電レプトン(電子、ミュー粒子、タウ粒子)のgの値はほぼ2である。gと2との差(異常部分)はレプトンに依存しており、現在の素粒子物理学の標準模型に基づいて非常に正確に計算することができる。電子における測定結果は、この計算結果と完全に一致している。ブルックヘブン研究所では、寿命が短く技術的に困難なミュー粒子の測定を行い、測定値と標準模型による予測値との間にの間に、決定的ではないが3.7σの不一致(6997116592089000000♠0.00116592089対6997116591800000000♠0.0011659180)が検出された。 電子のg-2の測定は、物理学において最も正確に決定される量である。最近では、1013分の3まで測定され、QEDでは12,672個のファインマン・ダイアグラムの和からその値が計算されている。しかし、このような実験的・理論的偉業にもかかわらず、新粒子からの(m/M)2の寄与は、質量が小さい場合(すなわち、質量が100MeV以下)にしか識別できず、現在のところ、測定値と予測値はよく一致している。 対照的に,電子の220倍の質量を持つミュー粒子のg-2の測定は、10MeVから1000GeVの範囲の質量を持つ新粒子に感度を持ち、したがって上限ではLHCの実験と同様の質量領域を探っていることになるが、方法は全く異なる。ミュー粒子のg-2の測定は、LHCの感度よりも低い質量の物理を探ることもできる。
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