硫酸セシウムとは? わかりやすく解説

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硫酸セシウム

分子式Cs2O4S
その他の名称硫酸セシウム、Cesium sulfate、Sulfuric acid dicesium salt
体系名:硫酸ジセシウム、硫酸セシウム


硫酸セシウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/26 23:57 UTC 版)

硫酸セシウム[1]
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.030.589
EC番号
  • 233-662-6
PubChem CID
UNII
CompTox Dashboard (EPA)
性質
Cs2SO4
モル質量 361.87 g/mol
密度 4.243 g/cm3, 固体
融点 1,010 °C (1,850 °F; 1,280 K)
167 g/100 ml (0 °C)
179 g/100 ml (20 °C)
溶解度 エタノール、アセトンに溶けない。
磁化率 −116.0·10−6 cm3/mol
危険性
GHS表示:
Warning
H302, H361, H412
P201, P202, P264, P270, P273, P281, P301+P312, P308+P313, P330, P405, P501
引火点 不燃性
致死量または濃度 (LD, LC)
2830 mg/kg (経口, ラット)[2]
関連する物質
関連物質 硫酸リチウム
硫酸ナトリウム
硫酸カリウム
硫酸ルビジウム
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
N verify (what is  N ?)

硫酸セシウム(りゅうさんセシウム、caesium sulfate/cesium sulfate)は組成式Cs2SO4で表されるセシウム硫酸塩である。

製法

炭酸セシウムを希硫酸に溶解し、濃縮すると結晶が析出する[3]

また塩化セシウムに硫酸を加えて蒸発乾固し塩化水素を追い出すと得られる。

性質

無色結晶であり水に易溶であるが、エタノールアセトンおよびジエチルエーテルにはほとんど不溶である。水に対する溶解度硫酸カリウム硫酸ルビジウム<硫酸セシウムと増大する。

室温では斜方晶系の結晶であり、その格子定数はa=6.24Å、b=10.92Å、c=8.22Åであり、単位格子中に8個のセシウムイオンと4個の硫酸イオンが含まれる[4]。また600℃以上では六方晶系相転移する。

アルミニウム(III)、ガリウム(III)、マンガン(III)など3価の金属イオンと複塩明礬)CsM(SO4)2·12H2Oを形成する。

用途

硫酸セシウム濃厚溶液は比較的密度が高いため平衡密度勾配遠心法による物質の分離用の重液として用いられる。硫酸セシウム水溶液の密度は25℃で10%ではd = 1.0856、20%ではd = 1.1897である[5]

脚注

  1. ^ Weast, Robert C., ed. (1981), CRC Handbook of Chemistry and Physics (62nd ed.), Boca Raton, FL: CRC Press, p. B-92, ISBN 0-8493-0462-8 .
  2. ^ nih.gov
  3. ^ 日本化学会編 『新実験化学講座 無機化合物の合成II』 丸善、1977年
  4. ^ 『化学大辞典』 共立出版、1993年
  5. ^ 日本化学会編 『化学便覧 基礎編 改訂3版』 丸善、1980年


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