研究者・専門家の見解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 01:30 UTC 版)
京都大学霊長類研究所国際共同先端研究センター助教徳山奈帆子によれば、番組内でのパンくんの2足歩行は訓練の結果であり、チンパンジーの本来の歩行は握りこぶしを地面につけて4本足で歩くナックルウォークという歩き方であるため、ショーを行っていない時のパンくんはチンパンジー本来の歩き方で歩いている、と指摘している。また番組や所属の動物園によるパンくんは母親に育児放棄をされ、人の手で育てられたという説明に対し、動物園のような人工保育下で育ったメスは子育ての仕方を知らないことから子どもは育児放棄されてしまうため、一度人工保育になったとしてもできるだけ早い時期に母親、もしくは群れに戻すことが行われているとした上で、野生のチンパンジーの子どもは常に母親と一緒で子どもを不安な状態で放置することなどありえず、パンくんのように「1人で何かをする」こと自体がチンパンジーの子どもには強いストレスとなる、としている。番組内でのパンくんの感情表出についての論文 を執筆した大阪成蹊大学准教授の松阪崇久は番組中のテロップやナレーションによってパンくんの感情表現の改変や表現されていない感情の演出、チンパンジーの泣き声であるフィンパーの音声が追加されている場面があるとし、パンくんの感情とは違うテロップやナレーションを付けることは視聴者を騙す捏造行為であり、番組の企画はパンくんの犠牲の上に成り立っていた娯楽である、と批判している。
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